プロローグ
気づいたらもう年末…今年も色々ありましたがやはり年末はジュニア合宿!ということで静岡に来ています。昨年は夜行バスから薩埵峠からのジュニア合宿と弾丸移動をかましていましたが今年は万全を期して前日には静岡入り。羽田から来たというのは内緒です。
そこで今回登るのはかねてより目をつけていた沼津の山々、通称「沼津アルプス」です。沼津駅のすぐ南のところから伊豆箱根鉄道線のあたりまで続く山々を走る縦走路でご当地アルプスの一つです。
なかなかアップダウンがしんどいという話を聞いていますが俺の鍛えられた足でなんとかしてやるぜ(小並感)
活動概要
活動記録
沼津駅〜徳倉山
おはようございます。時刻は1150、朝に伊丹から羽田に飛行機で飛びーの18切符でのんびり沼津までやってきました。沼津アルプスを走りたいんですが…いつものダブルザックで来ているのでとりあえずコインロッカーを探しますが西側のやつは全部埋まっており東側のやつは中型が残り一つ。入るか心配でしたがぶち込んだらなんとか入りました。
今回は流石に筑波山のように人気の多い山ではないので8L入るトレランザックを用意。エマージェンシーセットなどなど必要なものをぶち込んで出発しましょう。沼津は何度か来ていますがやっぱりラブライブが印象的ですね。すぐそこに停車しているタクシーも痛車ならぬ痛タクになってます。
駅前から西に向かって伸びる大通りをランニング。今回もmont-bellから新しく発売されたクラッグホッパーを履いてきたので結構快適に走れます。というか、メタい話ですけどトレランするより普通にランニング用として使うのがいいかも知れないかなーとか最近思ってます。
遠くから見たらそれほどでもありませんでしたが近づくとなかなか迫力のある山です。なんというか一気に迫り上がっている感じなので「うわぁ…今からこれ登るんか…しんどそうやなぁ…」って感じの嫌さがあります。まあ、登りますけどね。
県道のそばにある細々とした登山口から入山、まさしく低山って感じの趣がありますよね。初っ端から一気に高度を稼ぐ急な階段ですが今日は飛ばしていくつもりなので足に鞭打って登ります。階段は嫌いですがこういう一気に高度を稼げる感じの階段は割と好きです。
階段を登り切るとゴロゴロと岩の転がる登山道に。落ち葉がかなり降り積もっており岩と相まって滑る滑る、普通にめちゃくちゃ危ないです。小声で悪態をつきながら(変人)登って登って登っていくとすぐに舗装路に脱出です。
登り切ってすぐのところがこんな感じの広場になっており唐突に五重塔が出現。なんだろなーと思って調べたところどうもこれは沼津地域で戦没した方を祀っている慰霊平和塔らしい。普通の公園だと思っていたばかりにちょっとびっくりしました。
バックには富士山が見える非常に見晴らしの良い場所なので観光向けでもありますね。ここからまたすぐのところで舗装路から外れて登山道に入ります。なんか色々注意書きとかありましたが普通に通って良いみたい(要確認)。
ここからは至って普通の登山道。ところどころ丸太などで土砂の流出を防ぐために設置された不規則な階段が続きます。今日の気温は少し高めなのでペースを上げると普通に暑い。ダラダラと汗をかきながら登ります。ちなみに今日は半袖一枚だけです。
踏み跡はかなりしっかりしており普段からよく歩かれている道なんだろうなと想像。それどころかあちこちに「水飲み場」という札と共に蛇口が地面から突き出しているではありませんか。コップも備え付けてあり非常に用意のよろしいことで。
1213、一つ目の山頂である香貫山に到着です。なんか看板がいっぱい付いていますが沼津アルプス縦走向けと香貫山ハイキング向けとがあるようですね。山頂にはなんらかの施設があり周囲も森に覆われているため展望はほとんどありません。
と、思ったのですがどうやら少し離れたところにしっかりとした展望台が設置されているそうでそこからなら富士山を背景に沼津の市街地と美しく弧を描く海岸を一望できるみたいでどうせなら見に行けば良かったなぁと少し後悔。まあ、また来た時にこれば良いでしょう。
山頂から南東方向へ下山する道を使ってよくわからない林道に降り立ちます。山頂近くの平たい尾根を過ぎるとなかなか急な傾斜の斜面を下ることになり、しこたま落ち葉が降り積もった木製の階段は注意しないとすぐ滑って奈落の底です。
林道に出てからも相変わらずひたすら落ち葉の降り積もった路面で走るにはかなり気を遣う感じ。とにかく落ち葉が多いのがこの山系の特徴なんですかね?山に入ってからようやく初の登山者を追い越し峠を越える大きめの道路に向かいます。
太めの道を信号で渡って南側の歩道へ。しばらく北東方向(三島駅の方向)に進むと右手にこぢんまりとした登山口が。相変わらず注意してみていないとすぐに見落としてしまいそうな感じが、まさに「低山」で雰囲気があります。
ちょっと太めの道を左に曲がったところで右手に出てくる登山道の入り口…いつだったか、3年くらい前に登った各務原アルプスもこんな感じで道路を渡るところがあったようななかったような。あちらと違って歩道があるので良心的。
次の山頂まで一気に150m近い急勾配を登るので足がめちゃくちゃしんどい。写真ではどうにも伝わりにくいのが残念ですがめちゃくちゃな急傾斜です。登りは別にそうでもないけど降りはそばにあるトラロープを使ってしまいたくなるくらいの斜度と言えば良いでしょうか。
先ほどまでのように落ち葉が降り積もっている感じではなくなりはしましたが、代わりに地面がパサパサポロポロと崩れてくるような不安定な斜面なのが恐怖感に拍車をかけます。最近雨が全然降っていないのも影響したりするんですかね。
1233、横山に到着。「横」という感じを見ると無性に親近感を感じてしまいます。特に山頂からの展望はありませんが小さなケルンとこれでもかというくらい取り付けられたお手製の標識が地元に愛される山であることを示しています。
ここからはまた急なくだりが始まり100mほどのダウン。南側の斜面は北側と違って次の山に登山道で直接繋がっているので比較的緩斜面なのが救いです。でもやっぱり足元が不安定なのが怖過ぎる。次の登りまでひたすら降りなので頑張って走りました。
地下に県道のトンネルが通っている大きな暗部を越えたら次の山の斜面が始まります。ここまででもアップダウンがかなり激しかったのですがここもなかなかのもの。ここでは200m近い登りを要求されるのでYAMAPで地図を見て辟易していました。
しかも例の如く急斜面、先ほどまではトラロープでしたが今度は物々しい金属の鎖が掛かっているではありませんか。さすがに全区間というわけではありませんでしたが相変わらずな急斜面を頑張って登っていきます。
中腹の比較的傾斜がマシなところを抜けて山頂に近づくとさらに勾配は急になっていきもはや斜面というよりは「崖」と呼ぶに相応しいような坂道に。木々が生い茂っているおかげで高度感はそこまでありませんが手と斜面の距離が異常に近く全身を使って登る感じに。
写真だと傾斜が伝わりにくいのが通例ですがこの写真だときちんと登っていくんだなというのがわかります。つまりそれくらい急だということですね。自分は登りだったのでまだ良かったですが降りでここを通過するとなると…考えたくもないですね。
徳倉山〜鷲頭山
恐ろしい急登をなんとかこなして1251、徳倉山に到着です。山頂付近はさすがに平らになっておりおじちゃんグループがのんびり休憩していらっしゃいました。富士山も右手に見えるので絶好の休憩スポットですね。
そそくさと立ち去ろうとしたらおじちゃんに写真を撮ってほしいと頼まれたのでもちろん快諾。富士山をバックに数枚パシャパシャと。自分も撮るかと聞かれましたが丁重にお断りしておきました。写真に写りたくないお年頃なんです。
山頂を過ぎて少しはやはり先ほどまでと同様の急な降りが続きましたが少し進むと比較的なだらかな稜線の道に変わります。こういうのでいいんだよ、こういうので。登りでも降りでもあんまし急すぎると走る気にならないのでなだらかなちょうど良いトレイルが欲しいものです。
途中に不思議な竪穴が。どうやら太平洋戦争末期に設置された機関銃の銃座跡とのこと。なるほど、西側には駿河湾とそこから続く広大な平地が広がっているのでこの穴から本土上陸に備えていたというわけですか。実戦で使われることがなくて良かった。
まさにトレイルランニング向きといった感じの緩やかなアップダウンを気持ちよく走っていくと東西に続く登山道と交差する志下坂峠に。この峠も越えて次の山塊へ向かいます。お手製ですが六甲山と同じくらいたくさんの標識があるのでこれなら迷うことはなさそうですね。
ここでまた別の集団とすれ違い。すれ違い様にいつも走っているのかと聞かれ神戸から来た旨を話すと3月に神戸に行く予定があるとかなんとか。全山縦走すると話してたので適当に走ってたら会うこともあるのかな。決して混雑している山ではないので何気ない会話に安心感を抱いてしまいます(笑)
またしばらく緩やかな坂道を登っていくと視界が開けて伊豆半島と駿河湾が一望できるスポットに。どうやらここも山頂だったみたい、志下山というらしいですね。ちなみにさっきの峠といい読み方がなんなのか全然わからない(笑)
今日の天気は残念ながら曇りですがここからなら方角的に駿河湾の向こうに沈む夕日も綺麗に眺められそう。眼下に見える港もこぢんまりしていてなんだか良い雰囲気です。海沿いをチャリで走ったら気持ちいいんだろうな〜とか思いつつ前進します。
またまた峠を越えると今回の登山で一番標高が高い鷲頭山に取りつきます。最初は割と普通の登山道でしたが少し登っていくと何やら巨大な岩が。説明板を撮り忘れた上に調べてもあんまし情報が出てこなかったのでよくわかりませんがなんだか不思議な構造物がありました。
檻のようなものもあったしお墓にも見える石碑なんかもあったりと少し現世からは離れたような雰囲気を感じます…結局なんなのか分からずじまいなので聡明な方がいらっしゃったら教えていただけると助かります。
ここまでは「ご当地アルプスとは?」というような感じでなんの変哲もないアップダウンがキツすぎる里山という感じでしたがようやくアルプスっぽい岩場の塊が出現。おら、なんだか、ワクワクすっぞ、とか冗談を言いつつよじ登っていきます。
こんな岩がちな登山道を進むのはいつぶりでしょうか。最近はオリエンテーリングで綺麗な森を走ってばかりだったから、久しぶりの感覚に胸が躍ります。やっぱ登山だよ…登山しか勝たん…とか言ってたら無性に八峰キレットに行きたくなってきました。リベンジしなきゃなぁ。
岩場をひたすら登っていくと少し平坦になった場所に到着。ここもどうやら山頂としてカウントされているらしく「小鷲頭山」と標識があります。鷲頭山の前衛だからといってなかなか安直な名前ですがそんなもんでしょう。
ここでようやく視界が開けて沼津から富士にかけて美しく弓形に弧を描いた千本浜が一望できます。実に美しい形をしていますよね。日本一高い山頂から降ってきた斜面が段々なだらかになっていきやがて海に沈んでゆく…素晴らしい景色です。
鷲頭山〜原木駅
意外なことに小鷲頭山から鷲頭山にかけての登りは多少岩がちではあったもののそこまで急な斜面が現れることもなくサクサクっと登ることができ1332に鷲頭山の山頂に到着です。山頂には小さな祠がありました。
ちなみにここが本日通る山頂の中で一番高い392mの地点。完全に「ご当地アルプス」って感じがしますね。しばし休憩したらすぐに出発。特に急いでいるというわけではありませんがあんまりのんびりし過ぎているとトレになりませんからね。まあ、この後シャリバテするんですが()
降り始めてすぐはやっぱり先ほどまでのような落ち葉の降り積もった急な降りが続いており「んまあ、沼津アルプスもこんなもんか」とか思っていたのですがしばらく進んだ多比峠というところを越えてからは景色が一変します。
写真のような細い岩の上を通り抜ける道ばかり。当然巨岩の上を伝うように進んでいくので両側は落ちたら無傷では済まないであろう高い崖になっています。突然の景色の変貌にびっくりしながらもこれでなきゃアルプスとは名乗れんよなぁとか思ったり思わなかったり。
それからというものひたすら続くのはご覧のような登山道。足元は割れた大きな岩でその隙間からニョキニョキと比較的細めな木が生えてきているどこかで見たことのあるような景色。そういえば鈴鹿の入道から県境稜線までの尾根筋もこんな感じだったでしょうか。
今日はmont-bellの新製品であるクラッグホッパーの試し履きもかねているのですが、若干シューズが緩みやすいのか靴の中で足が動くのでこういう岩場歩きはちょっとやりにくい。落ちたらやばい場所ほど慎重にね。
多比口峠を越えてアップ100mある登りをゴリゴリ登ります。岩場が続く道は一旦終わってまた落ち葉で滑りやすい登山道に。沼津アルプスは岩場か落ち葉しかないのかというくらいここまでひたすらそれの繰り返しです。
1354、大平山に到着。山頂からは若干四方が望めますが開けているとは言えないですね。本当はここから多比口峠まで引き返して港の方へ降り修善寺の方へ向かう予定だったのですが流石にジュニア合宿で走り込む前にやることではなかったので断念しました。またの機会に取っておきましょう。
ここからはさらにカオス度が増して落ち葉の降り積もった激斜を降ったかと思えば細い踏み跡で自分の背丈の何倍もあるような巨大な岩の間をすり抜けたり梯子を登って岩の上に出たりと低山とは思えないワクワクする登山道が続きます。
特にこの分岐の後に梯子が掛かっているところは謎。正解ルートはどうやら右手に岩を登って梯子へ続く道らしいですがあの梯子を越えた先は今にも落ちてしまいそうな崖の上。かといって左手に降って梯子を目指すルートだと途中で谷底まで崩落した斜面をトラバースすることになりこっちもなかなかに怖い。どうなってるんだここは。
そのあとはこんな感じで細かい岩がゴツゴツと露出した細い岩尾根。そもそもの足元がめちゃくちゃ歩きにくいことに加えて隙間からニョキニョキと生えてきている細い木が進路を邪魔してくるのでなかなかに面倒臭いです。支えになるから別にええけど。
YAMAPの表記ではこの辺りからは通行が少ない登山道として認識されているみたいで確かに先ほどまでよりはうっすらとした踏み跡になったし薮も濃くなった印象。でも地理院地図では登山道として表記があるし普通に登山経験があれば進めそうな感じでした。
1435、大嵐山に到着。どうやら日守山という名前でも呼ばれているらしく標識は日守山、地理院地図の表記では大嵐山となっていました。どっちやねんって感じですがまあなんでもええやろ知らんけど。統一はしてほしいですけどね。
市民の憩いの場となっているようでちびっ子たちが展望所で棒切れを振り回していました。しばかれないようにすり抜けつつ愛鷹山の方をパシャリ。あの奥に富士山が見えるはずなのですが…残念ながら今回は不機嫌だったようです。
途中で補給食も取らず昼ごはんもまた食べていないので先ほどからシャリバテが酷くちょっと動いたら足が攣りそうな感じに。というかもう沼津アルプスも最終盤だというのに50mクラスの登りが次々と現れるのは何故なのか。
最後の山である茶臼山からは狩野川の作り出した平野を挟んだ向こう側にリゾート地で有名な伊豆高原が一望できます。確かゆるキャン△であの辺りを旅するシーンがあった気がするのでそのうち行ってみたいな。車以外でのアクセスがだいぶ大変そうだけど。
程なくして交通量の比較的多い河川敷の道路に下山。下山するまでの最後の降りは両脇が竹や笹の薮だったのですがどこからともなく口笛が聞こえてきたのに誰の姿も確認できなくてめちゃくちゃ爆速で駆け降りて来ちゃいました。普通に怖かった(笑)
向こうのほうに見えている鉄橋に行きたいのですが、この河川敷の道を渡るために信号のない横断歩道を通る必要が。さて、何台目で止まってくれるかなとワクワクしていたのですがなんと一台目が止まってくれたではありませんか。自分の意地汚い考え方がちょっと恥ずかしくなってしまいました。
シャリバテでへろへろになりながらも何とか住宅地を歩き切って1508、伊豆箱根鉄道の原木駅に到着です。飯代を浮かせるために沼津に荷物を取りに行くまで我慢したかったですが流石に腹が減り過ぎてやばかったので自販機でコンポタやらを3缶ほど買ってしまいました。
のんびり飲み干しつつ待っていたら三島駅行きの列車が来たので乗車。あとは結構旧式な電車にゴトゴトと揺られて三島で乗り換え、沼津まで戻りましたとさ。
エピローグ
ふらっと来てみた沼津アルプスでしたがなかなか面白い山でしたね。途中までマジでアップダウンが強烈、しかも落ち葉で非常に滑りやすいというおまけ付きでなかなか大変だったのですが鷲頭山を過ぎてからの岩場がかなり楽しくて良かったです。
低山らしく街のあちらこちらから登山道が伸びてきては稜線を進む登山道に合流しているので端から端まで歩き通さなくても登りたい区間だけチョイスして踏破するなんてこともできそうな感じです。こういうのは低山の良いところですね。
東京からだったら沼津まで2時間と少しくらいで来れるはずなので首都圏在住の方は少し足を伸ばして登ってみるのは如何でしょうか。天気の良い日には富士山も含め駿河湾や伊豆半島の素晴らしい景色が一望できますよ。
それではまた〜👋
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