プロローグ
さてさて、夏といえばなんの季節でしょう?海水浴とか花火とか色々ありますよね。
僕にとっては夏は遠征の季節!大学生という半ば特権階級を活かしてあちこち回る時間が手に入るわけですからもちろん使わない手はありません。
今回は2泊3日(登山は1泊2日)で日本最南端の百名山「屋久島・宮之浦岳」に行ってきます。直径30kmにも満たない島ながら2000m近い標高を持つ峰々が連なる山岳島。登山者を惹きつけてやまない島に登りに行きましょう!
活動概要
活動記録
白谷雲水峡〜白谷山荘
時刻は1100、路線バスを乗り継いで白谷雲水峡の入り口に到着しました。
おはようございます。快活明けですがなんとか頑張って登っていきましょう。
その名の通り白谷川の渓谷に沿って作られた公園で自然の力が作り出した荒々しくも美しい風景を堪能できます。
外国人観光客がとても多かった印象。世界遺産だからやっぱり人気になるんですかね?
木々も足元の岩も全体的に苔むしておりあちこちに多種多様な苔が生え散らかしています。
一本一本葉が長いやつ、藻のように岩にびっしりと張り付いてるやつなどなど、苔付きの人間が来たらさぞ喜ぶだろうという感じの場所です。
公園内の登山道はかなり整備が行き届いておりこの辺りを散策するだけなら特別な装備は必要なさそう。
ただ、特有の異常な湿潤さは否めないのでトレッキングブーツとかは欲しくなるかなぁ。
歩道のあちこちにクソデカい杉の切り株があって「これが噂に聞く屋久杉かぁ」となっています。
明らかに本土で見られるような杉の木とは違う太さ。これが悠久の森ってわけですか。
散策コース内でも何度か渡渉が必要なところがあって結構慎重になります。
増水時とか割と真面目に閉じ込められてしまいそうなので天気には気をつけた方がいいかも。とは言っても毎日雨降っているんですがね。
散策路を奥へと進めば進むほど大きな屋久杉が姿を現すようになります。こちらは「くぐり杉」というらしい。
せっかくなのでくぐってみましたがザックがつっかえておっとっと。普通に横から巻けば良かったです(笑)
こちらは「シカの宿」というらしい。デカい杉の木の中が抜けて洞穴のようになっているみたいです。
これ以外にも色々あるらしいので白谷雲水峡だけでもかなり見応えがあると思いますよ。
白谷山荘〜大株歩道入口
1150、白谷山荘に到着。小屋の周辺では結構な人数が休息を取っていました。自分もここで水場から飲料水を汲みます。
かつては管理人が常駐する小屋だったみたいで設備が色々残っているらしい。今は休憩用の小屋として認識されているよう。
白谷山荘を過ぎると霧の中に突入。苔むした森と屋久杉の巨木たちが霧に沈む様はとても幻想的。
ここも未だ公園内の散策路なのでかなりオススメできますね。
こちらは「武家杉・公家杉」という双子の屋久杉の巨木。
どれもこれもデカいデカい。一本一本が樹齢1000年クラスなのでマジで桁外れの迫力をしています。
こちらは「かみなりおんじ」と怖いのか可愛らしいのかよく分からないネーミング。
ここもまだまだ白谷雲水峡の中。これだけ色々みて回れるなら500円は安いもんです。
1216、白谷雲水峡の端にある辻峠に到着。ここより向こうに降った雨は安房川となって島の西側に流れ下ります。
ここから先は一般的な登山道と言われるようなところ。ぱぱぱっと歩いてしまいましょう。
峠を越えると一転、屋久杉の巨木が姿を消し細い木々の比較的明るい林になります。
地面の湿り気もかなり減って歩きやすくなりました。尾根を隔てるだけでここまで変わるのかという感じ。
1246、楠川分岐に到着。別のところに楠川があるけどそれとは関係あるのかな?
ここからは安房森林軌道の廃線跡をひたすら辿って上流を目指します。
安房森林軌道はその名の通り安房川に沿って作られた林業用の軌道線のこと。
現在は運用が停止され…ておらず、なんと日本で唯一現役で使われている森林鉄道だそう。すげぇ。
線路の間には歩行者が歩きやすいように木が敷き詰められておりどこぞの廃線後よりもかなり楽に進んでいけます。
足元に隙間がたくさんある古い橋梁なども随所にありスリル満点です。
ときには杉の林の中をまっすぐ進み、ときには断崖絶壁をへばりつくように進み、時には深い渓谷を橋で渡り。
深い深い屋久島の大自然の中に作られた微かでも力強い人間の痕跡をまざまざと感じます。
道をぼちぼち歩いているとひょっこり野生動物が姿を表します。ヒキガエルの仲間でしょうか、結構大きいです。
巷では食べたら美味しいという話も聞いてはいますが実際どうなんでしょう…捌けないからなぁ。
大株歩道入口〜縄文杉・新高塚小屋
1時間ひたすら軌道を歩き続け1342、大株歩道入口に到着です。
ここからはかの有名な縄文杉に向けて本格的な登りが始まります。が、頑張るぞ〜
登り初めていきなり強烈な急登。上から降りてくる人とうまくタイミングを合わせながら登っていきます。
この時間ともなると縄文杉日帰りの人たちは下山の時間。こんなに人おったんか、というくらい沢山降ってきはります。
固有名のついた有名な屋久杉の一つ「ウィルソン株」。400年ほど前に倒された屋久杉で樹齢は2000年と桁外れ。
規模も桁外れで周囲は14m近くになりこれより大きいのはあの縄文杉だけなんだとか。切り株の空洞には祠まであります。
この辺りから木製の階段で一気に登ることが多くなり息が切れ始めます。流石に20kg近く背負うと負荷が半端ないです。
加えて危惧していた雨もポツポツと落ちてきてそのうち本降りに。勘弁してくれよぉ…
雨が本降りになってから写真撮る気が全くなくなりお次は「夫婦杉」です。夫婦の名の通り2本の杉の木が枝を融合させています。
どちらも樹齢は1000年を優に超える代物でなかなか見応えがあります。
そして1501、出発から4時間をかけてかの有名な縄文杉に到着です。言わずと知れた世界最大の杉の巨木で樹齢は約4000年と言われています。
この頃には雨と汗でびしゃびしゃに濡れておりほぼ鑑賞する気にはなりませんでしたがデカさだけははっきりと感じられましたよ。
縄文杉から5分ほど歩いたところにあるのが高塚小屋。収容人数20人程度の小さめの避難小屋ですね。
ここでさらに先の新高塚小屋に行くかしばし逡巡。予定ではこのまま新高塚まで行くのですが電波が入らないので雨の状況がわかりません。
どうするか迷った挙句予定通りそのまま新高塚へ。高塚小屋に誰もいなかったのと翌朝の行動時間が長くなることを考えての判断です。
急登を頑張って登りましたが幸運なことに雨はそこまでひどくはならず難なく前進できました。
1607、本日の目的地である新高塚小屋に到着しました。収容人数は約60人、宮之浦岳に最も近い避難小屋です。
ソロのお姉さんが先着されており、宮之浦岳側からソロのお兄さんとカップルの若い男女が続々とやってきました。人が居てよかった…
テント泊の予定でしたがこの雨だと設営も撤収もだるいことこの上ないので小屋泊に切り替え。ご飯の時に周りの人と色々山について話したりして非常に楽しい時間でした。小屋泊もいいかもね。
翌日の行動に備えて色々濡れた装備を乾かしつつシュラフを広げて2000ごろには就寝。翌朝には雨が止んでくれると良いんですが、どうなることやら。
エピローグ
屋久島縦走の1日目、途中から生憎の雨でしたが当初予定していた通りに新高塚小屋に到着し休息としました。
実は小屋泊というのが初めてでどんな感じなのかな〜とか思っていたのですが、一緒になったみなさんが皆優しく感じ良くてとても楽しかったです。A5ランクの鹿児島産和牛を分けてもらったり、下界で買い損ねたOD缶を貸してもらったりして泣きそうになってました(笑)
山小屋で同じ目的を持つ人たちで集まって語り合う。想像していたよりもはるかに素敵で楽しいことでした。今日の1番の収穫と言っても過言ではありません(笑)
明日いよいよ宮之浦岳にアタックするのでお楽しみに。それではまた〜👋
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