【装備レビュー】オールラウンドに使ってヨシ! mont-bell 「グラナイトパック40」

装備レビュー

 今回は僕が約2年前から夏山から冬山、日帰りからテント泊まで数多の登山で愛用している mont-bell の中型バックパック「グラナイトパック40」についてレビューしていこうと思います。

 各種仕様に関する細かい解説から、2年間の使用経験に基づく使い勝手の紹介まで徹底的にレビューしていきますので是非最後までご覧ください。

追記(2023/4/28)

 グラナイトパック30・40は23SSにてアルパインパック30・40に置き換えられたため廃盤となりました。

 基本的な性能は引き継ぎつつ全体的な機能を向上させているのでグラナイトパック30・40ももちろんですが、アルパインパック30・40も安心してご購入いただけると思います。

 自分はリニューアル後のアルパインパック60を新たに購入しましたので、改めてアルパインパックシリーズについてレビュー記事を作成いたします。詳細は公開まで少々お待ちください(5月末公開予定)

各種スペック

 まずは mont-bell の公式サイトに掲載されている「グラナイトパック40」の仕様について軽く触れておきます。

出典:mont-bell 公式サイト
  • 【素材】本体:120デニール バリスティックナイロン・リップストップ(ウレタン・コーティング)
  • 【素材】背面:EVAフォーム
  • 【素材】アクアバリアサック:ハイドロプロ 2レイヤー(70デニール・ナイロン・リップストップ<ウレタン・コーティング>)
  • 【重量】1.17kg
  • 【カラー】ブラック(BK)・ブルーグリーン(DKMA)
  • 【容量】40L(高さ63×幅32×奥行き21)
  • 【背面寸法】53cm
  • 【機能】サイドストラップ・ピッケルストラップ(樹脂)・ワンドポケット・ウエストベルトホルダー・チェストサポート・ポールループ・トレールウォーターパック対応

 また同サイトの商品説明の欄にはこのようにあります。

ロールアップシステムと専用のアクアバリアサックを備え、優れた軽量性と防水性を実現したバックパックです。トップリッドを排したシンプルな構造で荷室への素早いアクセスが可能。縫製箇所の少ない独自のパターン設計で軽量性にも長けています。

軽量かつ高強度な素材を使用した中型モデルです。シンプルで細めのシルエットなので、狭い山道でも邪魔になりにくくスムーズな歩行が可能。ハイキングから冬山登山、アルパインクライミングまで幅広い場面で活躍します。別売の「トップリッドS」を装着することで、容量の拡張が可能です。

mont-bell 公式サイト

 以上が mont-bell の公式サイトに掲載されている「グラナイトパック40」の商品情報です。

外観レビュー

 ここではファーストインプレッションのように見た目やサッと触ってわかる「グラナイトパック40」の特徴について見ていきます。

前面・メイン荷室

 まずは「ザックの顔」とも言える前面とメイン荷室について、パッと見では「必要以上の無駄を排したシンプルさ」が印象的です。

 前面に見えているのはメインの荷室と横向き止水ジッパーの小さく薄いポケット、樹脂製のピッケルストラップだけ。mont-bell のロゴが斜めにプリントされたシンプルなデザインが特徴。

 mont-bell が発売している同じくらいの容量のザックと比較すると「リッジラインパック」のように極限まで機能を削ぎ落としてはいないものの「キトラパック」や「チャチャパック」ほどにポケットやらジッパーやらでごちゃごちゃしていません。

出典:mont-bell 公式サイト

 本体内部にはアクアバリアサックと呼ばれる防水素材のインナーが装着されており取り外すことも可能になっています。

 アクアバリアサックにはザック背面側に取り出した時のための取手とザック装着用のフックがついており、これと上部のマジックテープを併用してザックへの固定を行います。

背面・ショルダーハーネス

 続いて背面とショルダーハーネスのご紹介です。

 多くのザックの背面が夏場の通気性を重視したメッシュ素材になっていますが、このザックは冬山登山でも使用することを前提として効率的に排気できるパターンを採用したEVAフォームが配置されています。

 詳細の説明は省きますがEVAフォームは軽量で弾力性があり保水しないため劣化しにくいというザックの背面に非常に適した性質を持っています。熱に弱いという一面がありますがザックの常識的な使用環境を考えればさしたる影響ではありませんね。保水しないということは冬季の使用においても凍結しにくいということでもあります。

 ショルダーハーネスは表面にザック本体と同じバリスティックナイロンと薄いプレート、裏面には背面と同じく肉厚のEVAを搭載した2層構造になっており、高重量を背負ったとしても疲れにくいような作りになっています。

 ショルダーハーネス上部にはしっかりスタビライザーがついており40Lザックの重量にキチンと対応しています。

 チェストストラップは「チェストサポート」システムのおかげで上下約15cmにわたって稼働させることができ体格に合わせた配置が可能。テープバックルの部分にはオプションのトレールウォーターパックのチューブをはめ込める機構もついています。

出典:mont-bell 公式サイト(

 取り出すと製品のバランスに悪影響が出るのでお見せできませんが、背面のEVAフォームの後ろにアルミ製のフレーム「3Dフィット・ステー」が内蔵されており、ザック自体の剛性を保つのと同時に背負ったときの安定性と快適性に寄与しています。

側面・上面・ウエストベルト

 最後に側面や上面についてご紹介して外観レビューは終了です。

 側面には上部と中部にコンプレッションベルトが1本ずつ渡しており、ザックの内容物が40Lに満たない場合でも締め具合を調整して揺れを抑えることができます。

 このコンプレッションベルトはテープバックルでザック本体と接続されているのでテントマットなど嵩張るものを外付けする際も重宝します。

 下部のワンドポケットを用いることでトレッキングポールやテントポールといったポール類の外付けにも対応。結構な大きさがあるので500mlペットボト

ルなら入りますが安定はしません。危険な外付けはやめましょう。

 上面はガバッと大きく荷室が開くようになっており「ロールアップシステム」を用いて荷室を閉じます。開口部の大きさは25cm×22cmくらいです。

出典:mont-bell 公式サイト

 上述の「アクアバリアサック」と「ロールアップシステム」によってこのザックは雨の日でもレインカバーの装着を必要としない高い防水性を持ちます。水没でもしない限りザックの内容物が濡れることはありません。

 「ロールアップシステム」は防水性を高める以外にも部品点数の削減にも貢献しており、トラブル発生の可能性を低下させることができます。また巻き込む回数によってコンプレッションの具合を調整可能です。

 ウエストベルトはショルダーハーネスと同じような構造になっており非常に肉厚です。腰をしっかりと両側から包み込むことで肩にかかる荷重の分散と安定性の向上が期待されます。

メリット

シンプルな見た目

出典:mont-bell 公式サイト

 今回ご紹介している「グラナイトパック40」は同じくらいの容量のザックと比べてポケットの数が非常に少なくなっているため、外観がシュッと整っていて非常にシンプルです。

 シンプルで無駄もなく整ったデザインのため岩場などを通過するときも引っかかったりする心配が少なく比較的安心して進むことができます。

 これは完全なる主観ですが「グラナイトパック40」の見た目がめちゃくちゃ大好きです。

カバー要らずの防水性

 前述したアクアバリアサックのおかげで高い防水性を持ち雨が降っていたとしても煩わしいレインカバーをかけたりする必要はありません。

 夏の氷ノ山や後立山で雨に降られることがありレインカバーは使用しませんでしたが中に入れていたものが濡れることは全くありませんでした。

 どれくらいの雨量まで耐えられるのか検証したことはありませんがYahooの雨雲レーダーにて赤色で表示される程度に激しい雨でも浸水しなかったことから、その防水性は一般登山においては十分であると考えられます。

 完全にバックパックが水没することが考えられる沢登りなどには対応しておりませんのでご注意ください。

オールシーズン対応

 どのバックパックも使用しようと思えばオールシーズン使うことができるものなのでしょうが、「グラナイトパック40」は冬山登山で使用することも前提とした作りとなっています。

 前面には樹脂製のピッケルホルダーやピックを通すためのループ、全体が保水しにくい生地・素材であるなど随所にその考えが表れています。

 それでいて夏山でも全く問題なく使用できるので、少し大袈裟ですが「これ一つで十分」とまで言えそうなくらいです。

 同じくらいの容量で何種類もザックを買う余裕のない僕のような人にはとてもありがたい仕様です。

デメリット

収納力の低さ

 グラナイトパックの唯一にして明確な弱点だと考えているのがザック内部へのアクセスを伴わない収納力の低さです。見た目がシンプルでスッキリしていると言うことは逆にポケットなどの収納する場所が少ないと言うことでもあります。

 上記の画像はチャチャパックですがショルダーハーネスにもウエストベルトにもそれぞれ一つずつ、計4つのポケットが用意されています。ザック正面から下部へとアクセスするジッパーや本体と外装の間にある大きなポケットなどとにかく収納力が高くなっているのが特徴です。

 市場に出回ってより売れていると思われるザックはこのように収納力の高いものが多いと考えると「グラナイトパック40」の収納力は見劣りするものになってしまっています。

 現に僕はスマートフォンをパンツのポケットに収納するのが嫌で結局ショルダーハーネスに取り付けるポーチを使っています。

その他候補

  • 背面素材がメッシュではない
  • 一気室である
  • ザック自体は濡れてしまう

 他にもいくつか気になる点自体はありますがそこまで大きな問題になるものでもありません。

 背面素材についてはオールシーズンに対応する上で仕方のないことですし、夏ならメッシュだろうが結局汗でびしゃびしゃになることに変わりはないです。

 二気室でないためザック内部での装備の分別がしにくいという声も聞きますが、一気室でもパッキングさえ上手くできればなんら支障無いので除外。

 ザックカバーを付けることで雨に降られて下山したとしてもカバーさえ外せばザック自体は乾いたままなのでその後の処理は楽です。ただ、大した量は保水しないのですぐ乾いてくれます。

総評

 とまあ、こんな感じで僕が愛用している「グラナイトパック40」についてレビューしてきたわけですが、総評としては非常に使いやすく万人におすすめすることの出来るザックだと思います。

 オプションとしてもトップリッドや外付けのギアコンテナなどが mont-bell から発売されているので最大で57L相当まで容量を拡張することができます。

 いくつか弱点はありますがどれもちょっとした工夫や荷物の見直しなどでカバーできるものですし、何より「無駄がない」ということはゆくゆく自身の登山装備の見直しや行動の最適化につながるものだと考えます。

 このザックに適応することができれば今後大小どんなザック(UL系以外)を使うことになってもスムーズに適応できるのではないでしょうか。

 お値段も¥18260と他社製品に比べてリーズナブルですし、重量も軽めではありながらも耐久性は高いので40Lくらいの mont-bell のザックの中では一番おすすめです。

 各地のモンベルで取り扱っているのでぜひ現地で背負ってみてください。店員に頼めば中に重石を入れて実際の背負い心地を疑似的に体験することもできますよ〜

 以上です。最後までご覧いただきありがとうございました。

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