【オリエンあれこれ】インハイ2023併設の諸々を予想する話

オリエンあれこれ

はじめに

 今回はタイトルの通り「第37回全国中学校高等学校オリエンテーリング選手権大会(以下インハイ)」のコースやらスタート地区やら色々を結構真面目に予想してみようという話です。

 オリエン初めて2年目、大して凄いやつでもない自分が一丁前にこんなの書いて大丈夫なんですか、と言う話は置いておいてインカレのコースも予想しなければならない訳でその練習として自分がどんな風に考えていたか忘備録気味に予想しようと言うことです。

 後から誰かが見て「こんな風にコース予想すれば良いのか〜」とか参考にして貰えたら嬉しかったり。そのため、誰でも分かるようにめっちゃ丁寧に書いてます、はい。

polaris
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 まあ、普通にジュニア合宿の夜企画でコース予想があったので自分も乗っかってみようという浅い考えというのが大半ではあるのですが()

 大会開催前に余計なことするのはアレかなーと思ったのでこの記事は大会翌日のいつもの時間に投稿されていると思います。これを読んだ人と読んでない人で不公平とかあると良くないもんね。

 本人は至って真面目に考えているので「ここもっとこうだよ〜」みたいなアドバイスやらツッコミやら罵倒やらあれば是非コメントに書いていただけると幸いです。ん?ブログにコメントするの手数あって面倒だって?マジでそれな。

既存情報のおさらい

要項を読む

 さて、コースを予想するにもどこのテレインでやるのかとか会場はどことか色々な情報を収集する必要がありますよね。

 現在ほとんどの大会は「Japan-O-entrY(通称JOY)」というサイトを通じて申し込みや各種情報の伝達が行われています。ですので「JOY オリエンテーリング」などと検索してアクセスします。

 https://japan-o-entry.com/event/view/1252

 上記のURLがインハイオープン競技のJOYのサイトです。発行書類の欄から「プログラム」を選択し閲覧。一読して得られた情報をまとめていきます。

 あ、前置きですが今回はインハイ本戦ではなく併設クラスについての予想なので悪しからず。

要項から情報収集

 では要項を一読したと仮定して書かれてある情報からコースを予想するために使えそうな情報をピックアップしてみます。

  • 競技形式はポイント・オリエンテーリング
  • 会場は「中の組草の根広場」
  • 併設スタート地区は南西の道方面、最終コントロールは北東の道方面
  • フィニッシュは会場内
  • スタート地区までは徒歩10分程度
  • AL・AS・Bクラスのそれぞれの距離・登距離・給水地点
  • ディスクリプションの大きさは120/60以内

 こんなもんでしょうか。

情報を整理する

 把握できた情報の中である程度確定的なものを早速地図に落とし込んでいきます。ちょっと深掘りできそうなものは深掘りもしていきましょう。

 今回使うのは「Purple Pen」というソフト。使い方は別の方が色々書いてくれてると思うのでそっちを参照してください。サボってる訳…じゃないですよ?

フィニッシュの位置

 今回はありがたいことに旧図(ほぼ白地図の状態)が公開されているのでそれを利用します。

 https://japan-o-entry.com/event/getfile/5051

 まず「会場は『中の組草の根広場』」という情報と「フィニッシュは会場内」という情報から地図上でのフィニッシュ位置を確定させます。

 普段はフィニッシュと会場が別の場所にあることが多いのでその予想もしなければならないのですがインカレやインハイは観戦など諸事情で会場内にフィニッシュが来ることが多いみたいです。今回はフィニッシュ予想を省けるので助かった。

スタート地区までの距離

 スタート地区まで会場から青白テープの誘導で徒歩10分程度とありますね。徒歩10分というと少し曖昧な距離ですが一般的には徒歩1分=約80mという式で計算されることが多いみたいですね。

 ということは「徒歩10分」というとおおよそ歩いて800mほど行ったところにスタート地区があると考えられますね。

各クラスの詳細情報

 こちらも要項から、各クラスのコース情報の詳細です。

 この情報をいますぐに使う訳ではありませんが、のちにコースを予想する段階で手がかりになると思われるので頭の隅の方に置いておきましょう。

ディスクリプションの大きさ→ポストの数

 最後にディスクリプションの大きさです。今回は「縦120mm、横60mm」を越えない大きさらしい。所感ではありますが今回結構ポスト数はそう多くないのではないかと予想。

 というのも縦12cmとなると普通の大きさでデフを刷ると多くても15個程度しかコントロールを記載できないんですよね。なのでコースを実際に組むときは多くても15番コントロールまでになるよう調整して良いと考えられます。

スタート地区を予想する

 それではいよいよ手がかりを用いてレースの起点であるスタート地区を予想していきます。が、テレインは広いので闇雲に予想しても外れる可能性の方が高いです。そこで先に整理した「会場からおおよそ800m程度の距離というのがどれくらいか可視化してみましょう。

 会場を中心に直線距離で800m以内となるのが赤い円の範囲内なのですが…ちょっとぉ…広すぎますねぇ…

 これだけ広いと予想するにも仕切れませんからもうちょっと絞れないか考えてみましょう。一般的にスタート地区として設定されると考えられるのは以下の条件が比較的整っているところです。

  • レーンを設置できるスペースがある
  • 比較的薮くなくて白いところ
  • 道などでアクセスがしやすい

 もちろんこれ以外の条件が求められる場合もありますし、逆にこれらの条件を必要としない場合もありますが出来るだけ労力をかけずスタート地区を設置するならこの3条件が揃っているとやりやすいと思っています。

 今回のテレインは関西圏では白い方。割と平地も多いからこれだけの条件ではまだどこになるか分からないなぁって感じではありますね。

 そこにさらに二つの手がかり「併設スタート地区は南西の道方面」「害獣防止柵」を投入します。

 一つ目の「併設スタート地区は南西の道方面」と言うのはもちろん要項にある通り。会場のレイアウトマップにおおよそのスタート地区への道のりが記載されていますね。

 北側へ向かってしまうとどうやら競技エリアに侵入してしまうようなのでスタート地区はテレインの西側・南西側であると考えられますね。

 そして二つ目の「害獣防止策」、これが今回スタート地区を予想する上で大きな手がかりとなります。青山高原や西教山もそうですが低山にはしばしば鹿や猪といった農作物を食い荒らす害獣の侵入を抑制するために金属製の柵が設けられており人の背丈以上あることから門扉が設置されている箇所以外通行できない場合が多いです。

 上記のGoogle ストリートビューの写真は赤丸の地点から水色矢印の方向を向いた時のもの。建物屋根の左上あたりに金属製の扉があるのがわかりますね。

 当日はここの一部を開閉させてオリエンティアが会場のある市街地とテレインとなる山林とを行き来することができるようにするものと思われます。

 「柵があるから何だって言うのさ?」と思われるかもしれませんが、柵があると言うことはつまり限られた箇所からでしかテレイン内に侵入することはできないと言うこと。柵の開口部が分かればスタートの設置場所はかなり狭く絞り込めるはずです。

 と言うわけで会場より南西にあって道で柵の向こうとこちらが接続されているところを探すと赤丸の2箇所があることがわかりました。水色の箇所も扉だと思われるのですが私有地内を通行するため除外です。

 この2箇所を通らなければテレイン内に入れないのですからここまでの距離を調べればおおよそスタート地区の検討はつけられます。Purple Pen で距離を調べると会場に近い方の扉までで約560m、遠い方の扉までで約910mとなりました。

 徒歩10分程度としか記載がないので遠い方の扉でも10分で到達可能ではありますがコースプランナーや運営者は「記載されていた所要時間より長くかかってスタートが遅れた!どう言うことなんだ!」みたいなクレームを防ぎたいと思うので実際よりもかかる時間を多く見積もる傾向にあります。

 また、遠い方の扉からテレイン内に入るとその後長い道走りを要したり藪の濃い斜面を登る必要があるなどレースの障害となる要素が多いためコースとして不適当と考えられます。

 以上のことからテレイン内に入るために使用する扉は会場に近い約560m地点にあるものと考えて間違いはないでしょう。

 そこから順当に小径を北上して会場から700〜900mとなる箇所が赤丸で囲った範囲となります。比較的平坦で道沿いにある白い森に辿り着きました。スタート地区にするのに遜色はないでしょう。

 ひとまずこの辺りがスタート地区となるものとしてコースを考えていきます。ちなみにもっと正確に予想すると自分は長い一直線の柵の隣の鞍部がスタート地区だと思います。この地点で既に700m要することと一時的に道がないため一般の方(がいるかは分かりませんが)の通行を邪魔しないことがその理由です。

テレインからの脱出口を予想する

 おおよそのスタート位置とフィニッシュの箇所が分かったところでもう一つ考えておきたいことがあります。それは「テレインからの脱出口」です。先ほどテレイン内に入るための箇所を特定しましたが脱出する時もどこかしら扉を通らなければなりませんね。

 会場のレイアウト図から考えると会場よりも北西方面にある開口部は全部で6箇所あるように見えます(実際はもっと沢山あるかも)。

 西端の水色の丸については最終コントロールからの誘導方向を考えると遠回りになり不自然であること、東端の水色の丸については遠距離であることからコースプランに影響を及ぼす上に道走りの区間が異様に長いことから除外し4つの赤丸に絞り込みます。

一つ目の扉

 ここでGoogle ストリートビューを再び参照すると西端の赤丸で示した扉はどうやら石垣の上にあるようです。もちろん通行はできるとは思いますが道を走れると思った直後に危険箇所があると事故のリスクも高まるので避けたいところ。

二つ目の扉

 先ほども見たこの画像に写っているのが西から二番目の赤丸で示した扉です。階段の途中ではありますがきちんと人が通りやすいように整備されていることからも通過点として不足はないように思われます。

三つ目の扉

 東から二番目の赤丸で示した扉はどうでしょうか。地図上で見るとテレインの奥へと伸びていく道との接続はありませんが細い畦道で舗装路まで脱出することができるようにはなっているので道を辿ることを必要としないクラスでならアリかも?

四つめの扉

 東端の赤丸で示した扉はどうでしょう。舗装路の奥の方に扉があるのかないのか…ここからでは確認することはできませんが地図を見ると多分あるんじゃないかなと言うような感じです。

4つの扉を比較する

一つ目の扉二つ目の扉三つ目の扉四つ目の扉
安全性(○)
テレイン内部との接続(○)
フィニッシュまでの距離230m230m250m360m
演出

 ではこの扉たちのどこが使われる可能性が高いのか考えてみましょう。以下では4つの扉それぞれを①、②、③、④と書くことにしますね。

 まず、安全性については市街地に入るとき何もない③が最も優れておりその後に階段で続く②・わからないがおそらく平坦な④、崖で通行が難しい①と続くでしょう。

 テレイン内部との接続は(後ほどコースプランを立てると判明する)無理の少ないプランが組めて道との接続がある①、少し不明瞭なエリアを通る②、続いて少し距離が遠く工夫しないといけない④、道との接続がない③という順になります。フィニッシュまでの距離は①・②・③は大きく変わらず④が100m近く長くなると言うような感じ。

 最後に演出とありますがこれが何かというと「選手がよく見えるかどうか」です。何やねんという感じですがこれはインターハイ、中高選手権です。迷える森を抜け出しフィニッシュが手の届く位置に来たら選手は会場の応援を、観客は選手の姿を捉えられるというのは案外大事だと思います(ICR2022の経験を基に)。

 どの扉も会場から直接視認するのは難しいですが周囲が開けている②であればちょっと移動すれば選手が森の中から出てくる場面まで見届けられます。③・④は長い道走りを正面から捉えることはできる感じ、逆に①は建物を回り込んで主要道に出てくるまで一切見えないようになっています。

 これらの4つの着眼点を基に独断と偏見で優先順位をつけると「②>③>④>①」となるかなーと予想します。知らんけど。

コースを組んでみる

 それではいよいよコースそのものを組んでみます。今回はAL・AS・Bの3つのクラスが用意されているのでまず一番短いBクラスから考えます。

 何故短いものから考えるかというと、コース全長が短い方が回しが限定されるので想定しやすいという理由があります。ので、まずはBクラスから組んでみ…

 ました。ちょっと解像度を落としてます。なんか1.8kmにしてはちょっと短い気もしなくはないですが磁北線の間隔でレッグ線設定したら300mだったしなー。登距離も80mだったし間違ってたらPurple Penのせいです(他責思考)。

 このテレイン南北には道が通っているのですが東西には皆無と言って良い状態なのでBクラスを作るの難しそう。自分の脳みそではあんまし良いのが思いつかないや。

 ALも作ってみましたがいかがでしょう。ぐるっと行って戻ってくるだけではつまらないかなーと思ってクロスする部分を作りましたがポストの円とレッグ線が被りそうで大変でした。これで登距離250mくらい。

 もっと北側使っても良いかなーと思ったのと物理的に通行困難な障害(南北に伸びる長い崖や柵で囲まれた土地)が多くて難しい。

 給水地点ですがAS・Bクラスでコースの中間地点、ALコースで3割の地点とあったのでBクラスで5番、ALクラスで4番にあたる道の分岐に置きましたが如何でしょうか。ALクラスの給水が一箇所しかないことは気になりましたが回しで付近を通過できるようにはしておきました(でもそうなら7割地点の記載があっても良いかも?)。んんん〜〜わかんないっぴ。

 とりあえずこんな感じで一区切り。当日答え合わせといきましょうか。

公式掲示板を見て

 当日朝に公開されるものは何でしょう?そうですね、公式掲示板ですね。気になる記載がいくつかあったので見ていきましょう。

給水・救護所の位置

 給水地点の表記が小さくなることと救護所の正確な位置が公開されました。救護所は比較的太い道の終わりのオープン(AL予想コースの6番付近)に設置されるみたいですね。

 この二つの情報からわかるのは「給水と救護所は別である」ということです。最初救護所の位置を見た時は「そこでコース距離の50%!?遠くないか〜」って思ったのですがよく考えるとわざわざ給水の表記をするということは救護所とは別の場所にある線が濃厚。

 距離的にも脱出口へと続く南北の道のどこかにペットボトルと紙コップが残置される形で給水所の設定があるのではないでしょうか。

例の崖

 もう一つ気になる情報が。脱出口①で指摘していた崖ですね。どうやらここ、通路から見える限りでは崖に見えていましたが裏側は通路になっていて通行可能なようです。扉があるんだからそりゃ通れるようにもなってるか()

一つ目の扉二つ目の扉三つ目の扉四つ目の扉
安全性△→○(○)
テレイン内部との接続(○)
フィニッシュまでの距離230m230m250m360m
演出

 というわけで脱出口当てゲームの正解は「一つ目の扉(西端の赤丸で示した扉)」ということになりました。安全性の観点から最も可能性が低いと思っていましたが通れるなら話は変わってきますね。

 この条件だと①か②となりますがテレイン内からのスムーズな脱出を考えると①が適当ということでしょうか。知らんけど(笑)

大会後の感想とか

 はい、散々な走りをしてしまいましたが大会後の感想を書いていこうと思います。

 まずスタート地区はおおよそ想定通りの位置(少し南側だった)で給水の位置もほぼ予想通りでした(少し北側の分岐だった)。実際のコース図は問題あると困るので載せません。予想コースは…公開情報やしまあ良いでしょう。

 意外と現地に行ってみると一つ目の扉から脱出してもしっかり選手が見えており特に直接会場の運営テントから見えていたので実況はしやすそうでした。

 コースの全体的な回しは東へ振らせて西へ戻してくるというところは予想していましたが思っていたよりも早い段階・遅い段階で山塊を切らせるコースでした。

 直近で降った雨の影響かテレインは大部分で泥地化したひどい状態で特に急斜面なんかは全身使って必死に登っても相当苦労する感じ。白いけどゴツいテレインでかかった時間は64分。ミス率14%、巡航164とかなり渋い結果になってしまいました。

 気温33℃に達する炎天下でしたが運営の皆様お疲れ様です。来年…はちょっと考えます(笑)

おわりに

 こんな感じでインハイ併設クラスのコースを予想してみましたが如何でしたか?

 結局スタート地区とか回しとかを予想しても実際に走れなければ意味がないのでちゃんとトレーニングしろと言われそうですが、色々予想するうちにテレインの特徴に気付けたりこのレッグ見たぞみたいな既視感があれば現地での対応も良くできるでしょうからちょっとは有意義なはず…はず?

 インカレまであと50日くらいなので走る距離増やしつつ今回みたいな散々なレースをしないように読図走とかも取り入れて頑張ります。

 それではまた〜👋

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