皆様どうもこんにちは。polarisです。今回は自分が持っているモノの中でおそらく最も大切なギアについてご紹介いたします。
それはフィンランドの精密機器メーカー「SUUNTO」から発売されております「SUUNTO 9 PEAK」というGPSウォッチでございます。
SUUNTOのセミハイエンドモデルであるこのGPSウォッチをこの1年、普段のランニングからテント泊縦走、オリエンテーリングまで使い倒してきました。そこで感じた製品への感想を交えつつレビューしていきたいと思います!
総評
超薄くて軽い、でも長駆動でタフネス。相反するはずの属性をギュッと一つにまとめたまさにSUUNTOの歴代フラッグシップに名を連ねるに相応しいウォッチです。
追記(10/22)
SUUNTO VERTICALのレビュー記事を書きました。
基本スペック
さてさて、まずはいつも通り基本的なスペックについてご紹介していきます。
製品概要
- 【価格】61380円
- 【重量】52g
- 【サイズ】43×43×10.6mm
- 【素材】グレード5チタン、サファイアクリスタル、ガラス繊維強化ポリアミド、シリコン
- 【パッテリー駆動時間】7日間(ヘルストラッキング)
- 【GPS駆動時間】25時間(パフォーマンスモード)・最長170時間(ツアーモード)
- 【機能】電子コンパス、歩数・カロリー計測、心拍・睡眠トラッキング、etc.
ここに載せきれないさらに詳細な機能については公式HPをご参照ください。
同サイトの商品紹介文も併せて掲載しておきます。
Suunto 9 Peak は超薄型、高耐久性 GPS 対応マルチスポーツウォッチです。さらに、長いバッテリー寿命を実現し、ミニマリスト設計となっています。
Suunto 9 Peak Birch White Titanium はグレード 5 チタンを使用し、軽量化と優れた快適性を実現しています。チタンは硬く、傷が付きにくいだけではなく、アレルギーを引き起こす物質が使用されていないため皮膚にも最適です。プレミアムな外観はウォッチとは思えないほど洗練されています。
100% 再生可能エネルギーを使用したフィンランド製です。
公式HP
ラインナップ
2023年6月現在、公式HP上に記載のあるラインナップは以下の5種類となっております。
まず3種類のチタニウムモデル。カラーは「ALL BLACK」「GRANITE BLUE」「BIRCH WHITE」があります。
またステンレスベゼルのモデルも2種類あり、カラーは「ALL BLACK」と「MOSS GRAY」となっています。
特徴
超ロングバッテリー
GPSウォッチを選ぶ上で最も気になる点はやはりバッテリーの持続時間では無いでしょうか。
SUUNTO 9 PEAKは毎秒のGPSトラッキングや心拍数など全ての情報をフルに記録できる状態で24時間、GPSのトラッキングのみで最大170時間の超長時間駆動が可能となっています。
分かりやすい表が公式HPにあったので掲載。内容は表の通りですが、心拍数を取るか、GPSの測位頻度、画面の明るさや点灯状態などでかなりバッテリー持ちが変わってくる感じですね。
人間の動く速度程度ならEnduranceモードでも大した誤差なくトラッキングできるので実用的かなーとは思います。が、自転車でかっ飛ばしてる時にどうなるかは検証していないのでよく分かりません。
別売りで自転車用のカスタムパーツとか販売しているようなので何か関係あるのかも?
小型・軽量・堅牢
このウォッチの詳細の寸法は上の画像の通り。直径が43mm、厚さが10.6mmとなっており、これはApple Watchとほぼ同じくらいの水準に収まっています。
これの一つ前の「SUUNTO 9 BARO」は直径が50mm、厚さが16.5mmとまさに「アウトドアウォッチ」というようなゴツくてデカい感じだったのですが…
「SUUNTO 9 PEAK」はこんな感じ。比較的細めな自分の腕にも大き過ぎないちょうどいいサイズ感となっています。
そして重量に関してもウォッチ本体の重さが52g、比較的重めなシリコンバンドをつけて70gに届かない程度となっておりかなり軽量な部類ではないかと思います。
ランニングなんかをするときはやはり左右の腕の重さが違うと腕の振りを阻害してしまいますが、この重さであればその心配はほぼないと言っていいでしょう。
さらにさらに、ケースの金属部分は全てグレード5のチタニウム合金で形成されています。グレード5チタンといえば高級時計によく使われる非常に優れた素材です。また、スクリーンにはサファイヤクリスタルが使われておりこれも高級時計でよく使われる素材。
軽くて小ぶりなのにとんでもなくタフネス、一見相反する要素をきっちり両立させています。
洗練されたデザイン
見てください。このカッコいいボディを!
シュッとシャープに決まったエッジ、鈍く光る筐体、まさにスタイリッシュという言葉が相応しいデザインにまとまっています。さすが北欧デザインといった感じです。シカゴ・アセニアムというデザイン系の博物館からの受賞歴があるとかなんとか。
ヨドバシカメラとかGPSウォッチを販売している店舗の多くで現物を見られると思うので是非ブツを見て触って試してください。
充実のトラッキング機能
SUUNTOのセミフラッグシップなだけあって多彩な情報をこの腕時計ひとつでトラッキングすることができます。
これはある日のオリエンテーリングの記録なのですが、GPSはもちろん距離や平均ペース、平均心拍数、上昇高度などなど。他にも歩数や気温、消費カロリーやリカバリーにかかる時間など非常に多くの情報を得ることができます。
また、アクティビティを設定して計測する以外にも日々の健康状態についてさまざまな情報をトラッキングしてくれています。
睡眠時間や歩数、消費カロリー、リソース(Garminでいうところのボディバッテリー)などなどこちらも役立つ情報が満載です。
アクテビティを含めたこれらすべての記録はsuuntoのアプリで一括して管理・閲覧することができ、このアプリもシンプルな画面でとても使いやすくなっています。
多彩な対応アクテビティ
廉価なGPSウォッチだと「自分がやってるスポーツ無いんだけど…」というようなことがあります。マイナースポーツをやっている方からすると自分のプレイするスポーツが入っているか気になるところですよね。
そこもご安心あれ。元ハイエンドということもあって80種類以上のアクテビティに対応しています。自分がやっているオリエンテーリング以外にもローラースケートや乗馬、パラグライディングといったニッチなスポーツが収録されています。
さらにsuunto plusというネット経由のシステムを使って収録されていないアクテビティや自分なりのカスタマイズといったことも可能になっているので、カスタマイズ性も非常に高くなっています。
良いところ
ここからは自分が一年以上このウォッチを使用してきて「めっちゃええな」と思ったところを重点的に話していきます。
ちなみに自分が購入したのはSUUNTO 9 PEAKの「BIRCH WHITE TITANIUM」というモデル。ケースのガラス強化繊維ポリアミドとシリコンストラップが綺麗な白色のモデルです。
デザイン・ビルドクオリティの高さ
自分はデジタル寄りだけど割とアナログなものも好きなタイプなので、機能云々とか置いておいてとりあえず時計という「モノ」としてのデザイン、ビルドクオリティがとても高いです。
GPSウォッチというともちろんGPSのトラッキングだったり日々のヘルスデータの収集などソフト面も重要ですが、時計という日々の生活で身につける物がカッコ悪くちゃ仕方がありません。その点、市場に出回る多くのGPSウォッチの中でもSUUNTO 9 PEAKのデザインはとても秀逸だと思っています。
高品質なチタン合金で形成されたケース、視認しやすく美しく輝くサファイヤクリスタルのスクリーン、シンプルだけど着脱しやすく快適なシリコンストラップ。どれをとっても非常に美しくデザインされていながら実用性も申し分ないクオリティです。
右側に3つ配置されたボタンはもちろんチタン製で押すと「カチっ」という確かな反応が返ってくるので押し損ねたりすることは皆無。シリコンバンドの余った部分は金属製のストラップでパチっと留められるのでパタパタ跳ねることもありません。
ぜひお近くの量販店などの展示品を手に取ってみて確かめてみてください。
充電いらずの電池持ち
事細かに検証したわけではありませんが確かにバッテリーの持ちは普通に使っていて7日間と言ったところです。
流石に週末金・土・日と3日間オリエンテーリングをしっぱなしとかなってくると流石に終わった後充電しておきたいくらい(電池残量20%以下)になってしまいますがそれだけ持てば自分としては正直十分すぎるくらいです。
当然オリエンテーリングのない週とかも全然あるわけでそう言った時は7日間ヘルスデータを取ってもらって、お風呂に入っている間に充電器の上にポン置きしておけば1時間も経たずして満充電になってくれます。
そしてこの充電器も使いやすくて時計側に付いた二つの丸い端子が充電器の金属面に接触する形で充電するので「わざわざ挿す」ということをしなくていいのはとても楽ちんです。
時計を腕から外してポンと乗せ1時間待てば充電完了なので非常に簡単。自分は充電器がわをマスキングテープで机に貼り付けることでより充電をやりやすくしています。
基本的に充電は週に1回、その充電もストレスなしとあって使用感は快適そのものでした。
とにかくタフネス、そして小型・軽量
2022年の4月に購入してからと言うもの週に一度の充電の機会以外は運動する時はもちろん、風呂に入る時も寝る時もずっと着用していましたが目立った傷はありません。
流石に着脱を繰り返していくとシリコンバンド自体が腕の形に沿って曲がってきたり若干テカってきた印象はありますが流石にシリコンなので限界でしょう。
しかし、ケースやスクリーンには一切と言っていいくらい傷などはなく買った当時の美しい状態を保ち続けています。登山やトレイルランニングはもちろんですがオリエンテーリングみたく身体中が泥だらけになる荒っぽい使い方をしても全然問題ありませんでした。
タフネスさを謳っている以上当然かもしれませんが1年間徹底的に使い倒して傷一つないのは素晴らしいことだと思います。
見やすいスクリーン
これは台風一過の晴れた日に屋外で撮影した写真なのですがくっきりと文字が読み取れます。
スクリーンには特に反射防止の処理などはされていないのですが、アクテビティの途中に時計を見ようとして「反射して見づらい」なんてことを思ったことは一度もありません。
時計を見ようとして見れないのは非常にまどろっこしいので、視認性が高いという点はとても高く評価していいところではないでしょうか。
使いやすいSUUNTOアプリ・外部アプリ対応
自分は他のアプリをそんな多種類使っていないので比較とかはあまりできないのですが、Adidas RunningやStravaと言ったアプリと比べて収集したデータをその通りまとめてくれているので使いやすく感じました。
タブは大きく5つに分かれており左から「HOME」「カレンダー」「トラッキングデータ」「Map」「プロフィール」となっています。
「HOME」タブでは先の「充実のトラッキング機能」で紹介したトラッキングデータの概要やアクテビティの履歴が並んでおり簡単な情報などはここから確認できます。
「カレンダー」では週毎、月毎、年毎のにそれぞれのアクテビティの経過時間や距離などアクテビティに絞った大きなデータが確認できます。
「トラッキングデータ」ではトレーニングや進捗状況、アクテビティや睡眠といったトラッキングされたデータについて事細かに見ることができるようになっています。
このタブが自分にとっては非常に重宝するのもでありSUUNTOアプリがそれぞれのトレーニングや経過について分析してどれくらいの効果があったかなど細かく知らせてくれるので「先週はちょっとサボって体力落ちてるぽいから今週は少し多めに走るかぁ」みたいに計画を立てるのに役立ってくれています。
「Map」タブでは期間を設定してそのアクテビティがどこで行われたか地図上にルートとともに表示してくれます。また、よく使われるコースなどもアクテビティ別に検索することができます。
「プロフィール」は各種設定ですね。
そしてこれらの集められたデータはStravaなど外部のアプリに転送してトレーニング仲間たちとモチベを高めあうことができたりします。自分はあんまり見てないですけどね(笑)
ケーブルレス
当然OSのアップデートなどもあるわけですが、そういったデータのやり取りは完全にケーブルを使わず行うことができます。
日々のデータをスマホに転送するのはBluetoothでできるのはもちろん、アップデートもケーブルレスで自動で行われています。
なのでいちいちパソコンと繋いで…アップデートして…みたいな面倒な動作は不要なわけです。
イマイチなところ
さて、良さげなところを羅列したところでちょいイマイチなポイントも紹介しておきますね。イマイチというよりは買う前に知っておくべきことリストみたいな感じでしょうか。
ちょっとお高め
機能とか素材を持っていくとどうしても避けられないのは価格の上昇です。モノはめちゃくちゃ良いんですがやっぱりこの価格は少し購入するボタンを押す手が止まってしまいます。
自分は高校の時に貯めていたお小遣いを全部ぶち込んで買うと決めていたので躊躇しませんでしたが時計として考えてもなかなかのお値段です。
これでも昔は8万円を超えていたので安くなった方ではありますが新品を買おうと思うと5万円は超えてきちゃう感じですね。
バンドの耐久力
時計本体の耐久値が高すぎて傷がつかないのをいいことに使いまくっていたらシリコンバンドがへたってきてしまいました。
バンド自体にひび割れとかは全然ないのでApple純正のシリコンケースとかより遥かに耐久性は高いと思われるのですが、一番負荷がたくさんかかると思うバンドを止めておくピンを挿す穴が欠けてきてしまっています。
この状態でも問題なくパチっと留めることはできるのですが欠けてきているのは疑いようもなく、欠けていない時と比べると留める力は弱くなっているのでちょっとイマイチなポイントに挙げました。
交換ようのバンドはレザー、ファブリック、シリコンと用意されているのですがどれも5000円〜といった価格帯なので市販の22mmのバンドを付けるのもアリですね。
相変わらず本体はどの角度から撮っても傷ひとつなく綺麗です。
Map非搭載
買う前に知っておくべきはYAMAPやGarminのハイエンド機種に搭載できるような登山道や一般道が描かれた地図などは導入できないことです。
SUUNTOのアプリで事前に通るコースを設定しておけばGPSを利用して画面にコースを表示させること自体はできるのですが地図はないので背景は真っ白となります。
これに薄い青色でコースが表示されるだけといった簡素なモノです。
SUUNTOのハイエンドとはいってもGarminのそれと比べると倍近い価格の差があるので仕方がない、というより値段相応といった感じですが知っておくべきことですね。
電子コンパスの機能でコンパスとしての役割は果たせます。
Suica・Wear OS非対応
先ほどから「GPSウォッチ」と呼んでいるのはこれが理由です。あくまでもSUUNTO 9 PEAKはスマホの機能の代替ではなく、スマホとは別にさまざまなサポートを行ってくれるものとして自分は見ているのでそう呼んでいます。
なのでいわゆる「スマートウォッチ」のように使うことはできません。Suicaを使って改札を通ったり物を買ったり、あるいはGoogle Playからアプリをダウンロードしたり、といったようなことはできません。
自分はスマホでできることをわざわざ時計でやろうと思っていないので全く不満点とか欠点とか思いませんでしたが、期待してる方には申し訳ないですがこれらの機能はありません。
音楽をダウンロードしてイヤフォンなどを接続するといったこともできないので、このウォッチとイヤフォンだけではランニング中に音楽を聞くことはできません。自分の意見としては走ってる時に音楽聞くなよ…危ないやろ…とは思いますが知っておくべきポイントなので書いておきますね。
おすすめな人・そうでない人
自分が思うにSUUNTO 9 PEAK はどういった人におすすめなのか、またそうでないのかお伝えしますね。
おすすめな人
- 小型でタフネスな時計が欲しい人
- デザインと機能を両立したい人
- マルチにアクテビティをこなす人
- SUUNTOが好きな人
先に挙げた良いところをふんだんに活かせるのはランニングなどはもちろん、週末には登山やトレイルランニングなど自然の中に分け入ってハードにスポーツを行う人です。
特にそのロングバッテリーを活かして長時間の活動にも対応できるのでアクテビティの頻度が高くても充電という面倒な行為をせずして集中することができます。
また、デザインも非常に秀逸なのでオンの日はもちろんオフの日に日常生活で着用していても変じゃない…というよりむしろ映えるくらいですね。
そうでない人
- スマートウォッチが欲しい人
- もっとつよつよな時計が欲しい人
正直どんな人にもおすすめしたいのですが…例えばApple Watchと言ったいわゆる「スマートウォッチ」と呼ばれるスマホの機能を代替する時計が欲しいと思っている人には残念ながら向いていません。
というのも「スマートウォッチぽい」ことを可能にするOSは搭載されていないのでそういうことは魔改造しない限りできません。
SUUNTOでスマートウォッチが欲しいんだ…そんな方には「SUUNTO 7」をオススメします。こちらはGoogleのスマートウォッチOS「Watch OS」が搭載されているのでスマートウォッチのような使い方が可能です。
また、現在SUUNTOは9 PEAKを上回る上位機種が2種類存在しています。一つは「SUUNTO 9 PEAK PRO」、もう一つは「SUUNTO VERTICAL」です。
前者の「SUUNTO 9 PEAK PRO」は外観などほとんどの部分はSUUNTO 9 PEAKと全く一緒でバッテリー・GPSの強化と若干のUIの変更がなされた完全な上位互換の機種です。
SUUNTO 9 PEAKの時でも十分にロングバッテリーだったものが21日間持続するようになったりと強化の幅は大きいですができることはほとんど一緒で二万円くらい高いヤツ、と言った印象です。
そして後者の「SUUNTO VERTICAL」はケースが大きくなりオフラインMapやソーラー充電といったこれまでのSUUNTOのウォッチになかった機能をたくさん初搭載した文字通りハイエンド、フラッグシップモデルです。
個人的にめっちゃ気になってるヤツなのでもしかしたら買ってレビューとかするかもしれません。
追記(10/22)
SUUNTO VERTICALのレビュー記事を書きました。
総評
ここまでSUUNTO 9 PEAKについて様々書いてきたわけですが如何だったでしょうか。
一時期はSUUNTOのGPSウォッチのフラッグシップに君臨していただけあって、ほとんどのユーザーにとって性能は十分すぎるものと言って良いでしょう。GarminやCarosと言った他社の同価格帯のGPSウォッチができることは基本全部できるのでその点は安心です。
かつてのフラッグシップモデルも次世代の登場で値下げされ性能はそのままにかなり手に取りやすい価格になってきたのでコスパも爆上がりです。昔の定価で買った自分泣いちゃう(笑)
とにかく軽く小さくて、かつタフでスタイリッシュという両立できなさそうな属性をてんこ盛りなのでGPSウォッチ選びに迷っている人に自信を持ってオススメできます。
この記事の情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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