プロローグ
どうもどうも、polarisです。
前回に引き続いて八峰キレット縦走やっていきましょう…と言いたいのですが、残念ながら撤退しました。はい。
まさかね〜日の出の時間帯で雨が降るとはね〜思ってなかったよね〜
ということでまあ、扇沢に引き返すことになったのですが、ことの顛末は以下でご確認ください。
でもいいこともありましたよ?
前回
こちらが1日目の記事になります。ぜひこちらからお読みください。
活動概要
活動記録
冷池山荘〜布引山
おはようございます!
時刻は0200、随分と早いですがテント泊の朝はこんな感じがデフォルトだそうです。
周囲の山屋の皆様も同じくらいの時間帯に起床なさっていたのでやはりそうなのかな〜と
朝ご飯は軽く白飯に雑炊を混ぜたもの。
フリーズドライの塊をアルファ米の白飯の中にぶち込んでお湯を注ぐだけの簡単なお仕事。
買い替えた新品のガス缶のおかげでジェットボイルもフルパワーで火を噴きます。
そして、これが想像以上に美味しい!美味しさを文字で表現するのは難しいですがとにかく美味しかったです。
起床から1時間30分ほどで食事と撤収が完了。
若干テントが濡れていたのでバタバタ水を払って収納。
しかし結構風も強く星も見えないので先行きはちょっと不安かも…
当たり前のことですが真っ暗なのでヘッドランプをガンガン焚いて先を照らします。
隣のテントの人は既に出発済み。爺ヶ岳の方でヘッドランプが煌めいていたので彼方に向かったのでしょうかね。
布引山の直前までは稜線の東側を登山道が続くので強烈な西風を避けられるのでだいぶ助かります。
森林限界は既に越えているはずですが高山植物がもりもり繁っているので熊がちょっと怖い。
名前の分からぬさまざまな高山植物が生えているのでそれは美しいんですがね…
布引山を登り始めると当然稜線の上に出るので風が強く吹き付けてきました。
動いているからいいですが、停滞したらかなり寒いです。
道端にしれっと慰霊碑が立っていたりしてこの場所の厳しい側面を示しています。
0430を過ぎると東側の空が明るくなってきました。
テント場で察していた通り空には厚く雲が立ち込めていて晴れ間は見えません。
しかし眼下にも雲がありちょうど2段になった雲の間にいたよう。随分と不思議な光景です。
布引山〜撤退〜布引山
0438、布引山に到着。
標識がガタガタと揺れ風を切る高い音がかなり怖い。というか寒い。
ソフトシェルの下にプラズマ1000を着込むと全く寒くなくなりました。持ってきてよかったです。
西の空はどんどんと明るくなり周囲は紫色に。
今まで見たことのない日の出の感じで正直怖かったです。不気味。
鹿島槍ヶ岳の穂先は完全に雲の中。頂上から朝日を見るのはかなり難しそう。
とりあえず布引山で朝日を見てから鹿島槍ヶ岳に向かいます。
しかしどうも晴れそうにないし天候も先行きが不透明なので出発することに。
この時点で八峰キレットを超えることは風の強さ的に難しいと判断してメインザックはデポすることに。これが痛恨のミスでした。
少し標高を上げていくとそれに呼応したかのように上部の雲が下がってきた…気がします。
雲の中にそろそろ入ってしまいそう。
もうしばらく進むと岩場が始まります。きちんとマーキングで正しいコースを示してくれているのは安心です。
が、この付近で雨が降り始めてきました。雨というよりは横から叩きつけてくるような感じ。
そして先ほどのミスというのがここで効いてきます。というのも雨具はメインザックの中。横着してサブザックだけ持ってきたのは間違いでした。
さすがに雨が降っている状況で雨具もなく進むのは不味いと判断しここで撤退を決定です。最悪だ。
急ぎ布引山に引き返してきましたが雨と風の勢いはそのまま。既にソフトシェルの表面はしっとり湿っており急いで雨具を着用し一安心です。
はぁ…きちんと雨具持って行けばよかったなぁ…
布引山〜冷池山荘
雨具を着用しフル装備状態のワイ。このまま鹿島槍に再アタックをかけてもいいところですが…なんか違うようなぁ…
よくわかりませんがなんかフェアじゃない気がする。知らんけど。
せっかく1日かけてここまでやって来ましたが「きちんと」山頂を踏みたい。ということで自分でも何故なのかよくわかりませんがここで撤退します。
ご覧のように眺望は全くありません。
朝は晴れ予報のはずだったんだけどなぁ…まさか雨が降ってくるとは。
標高を下げていくとガスは取れ始めました。
テント場から見えなかった鹿島槍ヶ岳の南斜面が見えています。
爺ヶ岳も山頂付近は雲がかかって見えず。昨日の夕方の景色は何処へやら。
稜線の先に種池山荘が小さく見えています。
そういえば山荘の屋根って赤色が多い気がしますけどなんでなんでしょうかね?上空のヘリなどから見つけやすいようにですかね?
冷池山荘のすぐ東側は急崖、フォッサマグナの西側だからだと聞きました。
前日は雲海の中に沈んでいたので見えていませんでしたが、こうしてみると落ちたらひとたまりもなさそうで恐ろしいですね。
冷池山荘〜爺ヶ岳南峰
0600ごろ、冷池山荘に到着。コーラを購入しひとまず安堵。
元々ここから赤岩尾根を経由して大谷原に下山するのをエスケープルートに設定していましたが、あちらに下山するとバスがないそうなので選択肢がタクシーか歩きに。
さすがにそうなってくると精神的にキツいので爺ヶ岳経由で扇沢へ。つまり完全に引き返すことになりますね。
上層と下層の切間から遠くの山々がうっすら見えていますが…あの山は何処なんでしょうかね?
八ヶ岳…にしては少し北すぎる?だったら浅間山とか?んん…よくわかりませぬ。
さて、あまりもたもたしていて雨が降ってきても嫌なのでとっとと出発します。
昨日はガスっていたおかげで高度感がありませんでしたが、普通に崖のところとかもあってなかなか怖い。すげぇな規模が。
分岐のケルンあたりからはいよいよ雲の中へ。
雨とか風とか弱いといいのですが…
昨日見えていなかったものが今日は見れてちょっと嬉しいかも?
黒部側は割となだらかですが大町側は本当に激しい山容をしていますね。
爺ヶ岳の北峰を過ぎて中峰の方に向かっていると…なんと3羽のライチョウが登山道を歩いているではありませんか!
悪天候の日に遭遇率が上がるとは聞いていましたがまさか会えるとは。
足には個体を識別するためなのか青いリングが取り付けられていますね。
さすがに道を進んでいると避けられてしまいますが、この至近距離でも逃げない野生動物はやはり珍しいですね。熊なんていなくなってみんなライチョウになってしまえばいいのに。
ガスの中にぼんやりと沈む稜線の様子も割と好きです。
雨風が強いのは嫌ですけど(笑)
爺ヶ岳南峰〜種池山荘
0728、爺ヶ岳南峰に到着。
北峰は立ち入り禁止ですし中峰は登るのが面倒なのでパスしました。ので、ここが最後の山頂になります。
到着直後は全く眺望がありませんでしたが少し待っているとわずかにガスが取れて来ました。
左手に見えているのは爺ヶ岳南尾根ですかね?
そしてまたライチョウに遭遇。
今度はサービス精神旺盛で微動だにせず登山道の側に佇んでいました。どうやらヒナを見守っているようですが茂みの中なので視認はできませんでした。
ライチョウを眺めて時間を潰しているとガスが晴れて鳴沢岳へ続く稜線が露わに。
登ってくるときは完全に雲に沈んでしまっていたのでわかりませんでしたがこんなに綺麗な稜線だったんですね。
爺ヶ岳の南斜面にはお花畑が広がっており高山植物が咲き乱れています。
種類とかはよく分かりませんが小ぢんまりとしていてかわいい。夏なのに鶯も鳴いていて不思議な世界です。
はるか先の谷にはこの時期でも残雪が。あちらが針ノ木雪渓ですかね?
日本三大雪渓ではありますが氷河ではないとかなんとか。来年登りに行きたいな〜
種池山荘〜扇沢駅
0813、種池山荘に到着です。
昨日はガスで小屋の全景をまとめてみることすら難しかった状態でしたが、今日はスッキリです。
トイレ休憩をしたりコーラを飲んだりしてしばらくお休み。
いよいよ下山。こんな素敵な天上の世界から去ってしまうのは名残惜しいですが撤退したのですから仕方ありません。
降り始めるとだんだんと扇沢にも雲が湧いて出て来ました。
昨日と同じ感じですが上がってくる感じはありませんね。
雲に沈んだ深い森も幻想的で素晴らしい。
登ってくる方もたくさんいらっしゃってすれ違うたびに五竜から来たのかと聞かれます(笑)
柏原新道の下山は長丁場。昨日ひたすら登り続けたのと逆に今日はひたすら降り続けます。
階段とかも整備されてはいますが濡れてるので滑らないかしっかり注意して踏みます。
0948、登山口まで戻って来ました。
55分に信濃大町行きのバスが出るのでそれまでには扇沢駅には戻りたかったですが…これは難しそうですな。
扇沢駅までは100mの登り。
ここまで1100m降り続けてようやく平地に出たと思ったら最後に登りがあるのでなかなか精神的に辛いです(笑)
写真はありませんが1003、扇沢駅に帰着です。
扇沢駅〜長野駅
0955のバスを乗り逃し次発は1125ということでさすがに待ち時間が長すぎる。
ですので1030発の長野行きの高速バスに乗車。温泉は諦めます(害悪)
一応下界用の服装に着替えているのでセーフ…?
有料道路を通るからなのか全てのバスがそうなのか分かりませんが、なかなか上質なバスです。
なんとコンセントまでついているという優れもの。モバイルバッテリーは持っていますが非常にありがたいです。
ちなみに今回持って行っていたモバイルバッテリーはこちら。
なんでパソコン持ってんだよ…とお思いのそこのあなた!マジ同感です(笑)
クソ重いので M2 Mac Book Airに買い換えたい。
古くて風情ある信濃大町駅の駅舎。
ここで下車できたら良かったんですけどね…残念ながら途中での下車はできません。
1220、定刻から5分ほど遅れて長野駅東口に到着です。
2時間近い乗車でしたが快適な乗り心地でした。
特急しなの・ひのとり
10日ぶりに戻って来ました。長野駅です。
今年来るのは4回目ですかね?もしかしたら来月も来るかもしれません。やばいな交通費が(笑)
もともと購入していた明日の切符を今日の1300発のしなのに変更して昼ごはんを買い乗車。
鉄オタだった経験が生きているのか切符の変更とかを躊躇なくできるのは山屋としてやって行く時になかなか便利かもしれません。
冬の志賀高原遠征で利用してから長野駅の新幹線改札前のカフェで毎度ご飯を買っています。
ベーグル?サンドウィッチ?が美味しいのでぜひ行ってみてください。
みんな大好き姥捨からの車窓。
今年に入ってやはり4回目、もう見慣れてしまいました(笑)
名古屋駅で少し早いですが晩御飯にきしめんをいただきます。
名古屋にはしょっちゅう行ってるのにそういえばきしめんは食べていませんでしたから。
あとは毎度恒例の近鉄特急ひのとりで大阪へ帰ります。
いつ見てもカッコいいこの車体。最高ですわ。
あとはひたすら車内でブログの編集をして今回の旅は終了。
荷物がなかなか嵩張るのと割と混雑していたのもあって運搬は大変でしたね。
公共交通機関登山では仕方のないことですがね(笑)
エピローグ
2泊3日の八峰キレット縦走計画がいつの間にか1泊2日の鹿島槍ヶ岳ピストンになってしまいましたが、初めて体験することだらけでとても楽しい山行になりました。
ブロッケンにライチョウと珍しいものも一度に見ることができたの本当に運がよかったです。
とはいえ本来の目的であった八峰キレットには足すら踏み入れておらず、鹿島槍ヶ岳も私情で撤退してしまったので大きな宿題を残して来てしまいました。いつか再チャレンジしなければですね。
それではまた〜👋
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