皆様お久しぶりです、polarisです。今回は「グラナイトパック40」以来、約半年ぶりとなる製品レビューの記事となります。
今回取り上げるのは我らがmont-bellから発売されております万能ウィンドブレーカー、「U.L.ストレッチウインドジャケット」でございます。
23SSにてリニューアルが施され従来モデルから仕様変更をした当該商品。旧モデルと現行モデルで何が違うのか、どこが同じなのか、どちらを選ぶのがオススメなのか、他のウインドシェルと比べてどうか。
日々のランニングや普段着としての使用経験を元に徹底的にレビューしておりますのでぜひ最後までご覧下さい。
総評(はじめに)
まずは最初にレビューした結論を簡単に。
U.L.ストレッチウインドジャケットは以下の3点が特長となるポイントです。
- 圧倒的なストレッチ性
- 使いやすい生地感
- 細部の地道な向上
とりあえずこれ一着持っておけばどのウインドブレーカーの役割もこなせる、そんな超万能タイプのウインドシェルです!
各種スペック
基本情報となる各種スペックについてmont-bellの公式サイトを参照しつつ軽く触れておきます。
- 【価格】8470円
- 【品番】1103308
- 【素材】15デニール・バリスティック エアライト®︎ナイロン・リップストップ[はっ水加工]
- 【平均重量】108g
- 【カラー】ブルーグリーン(BGN)、ネイビー(NV)、イエロー(YL)
- 【サイズ】S、M、L、XL
- 【収納サイズ】15.5×12×4cm
- 【特長】ジッパーがあごに当たらない仕様/リードインコード・システム
- 【ポケット】3個(ジッパー付き<腰2>、ジッパーなし<ポケッタブル収納用1>)
同サイトの商品説明を併せて掲載いたします。
ストレッチ性を備えた超軽量シェル素材を使用し、動きやすさと軽量性を両立したウインドシェルジャケットです。生地表面には、はっ水加工を施しています。裾はリードインコード・システムで調節可能。携行に便利なポケッタブル仕様を採用し、幅広い場面で活躍します。
mont-bell 公式サイト
外観レビュー
ここからは実物を簡単に見て触ってみて分かる商品の特徴をレビューしていきます。
正面
正面から見るとこのような感じ。左胸にmont-bellのロゴが入っており左右の脇腹付近にポケットが一つずつ配置された王道のデザイン。僕が購入したネイビーはジッパーが同色なのでよりシンプルな見た目となっています。
他社の似たような製品とぱっと見、丈に対して胴回りがやや広い印象があります。
腕・首周り
右腕にもこのようにmont-bellのロゴが配置されています。ロゴが控えめなのは嬉しいポイント。
ジッパーの金具は直接当たらないようにフラップがあるので着用時の不快感を軽減してくれます。
袖口・裾
袖口には一周ゴムが通してあるので適度に袖の位置を保持してくれます。サムホールなどはありません。
裾にはもちろんドローコードが用意されているので風が入らないよう絞ることが可能。コード端は両脇腹のポケット内部にあり絞った状態でコードがだらしなく垂れ下がることがないようになっています。
ポケッタブル仕様
内側左前には内ポケットが一つ用意されており、スタッフバックなどを使用しなくてもここに本体を収納することでコンパクトになるいわゆる「ポケッタブル」構造です。
収納するとこのように手のひらサイズとなりリュックサックなどに簡単にしまえる大きさになります。このサイズなら持ち運ぶのに煩わしさはありませんね。
ウィンドブレーカーとして必要な機能がまとまっており、これといった不満点や欠点が見当たらないように思います。強いて言うなら広げた時のシワはちょっと気になるかなーくらいの事でしょうか(笑)
おかげで日々のランニングにはもちろん、大学の講義に出席する時やバイトに出勤する時も「とりあえず持っていこう」と言う感覚でリュックに放り込んでいます。
どこにでも持って行けて簡単に肌寒い風をブロックできる、そんな万能ウィンドブレーカーといった印象です。
新旧モデルの比較
ここからは現行モデルと旧モデルの違いについて様々な点を深掘りしていきます。名前は一切変わっていませんが全く違う商品と言って良いくらい大きく変わっています。
現行モデルと同様に初めに旧モデルの各種スペックについて掲載しておきますね。
- 【価格】6070円
- 【品番】1103277
- 【素材】12デニール・バリスティック エアライト®︎ナイロン・リップストップ[はっ水加工]
- 【平均重量】91g
- 【カラー】ダークグレー(DKCH)、ブルーグリーン(DKMA)、レッド(DRD)、ブルー(ETBL)、フラッシュイエロー(FYL)
- 【サイズ】S、M、L、XL
- 【特長】ポケット3個(ジッパー付き<腰2>、ジッパーなし<左下内側・ポケッタブル収納用>)/ジッパーがあごに当たらない仕様/リードインコード・システム
- 【収納サイズ】15.5×12×4cm
同サイトの商品説明を併せて掲載いたします。
ストレッチ性を備えた超軽量シェル素材とバイアスストレッチを組み合わせることで、動きやすさと軽量性を両立したウインドシェルジャケットです。表面には世界最高レベルのはっ水加工を施しています。携行に便利なポケッタブル仕様を採用し、幅広い場面で活躍します。
mont-bell 公式サイト
混紡率
根本的に新旧両モデルでは生地の組成が異なっており、同じバリスティックエアライトを採用していますが旧モデルがナイロン100なのに対し、現行モデルはナイロン89・ポリウレタン11と混合素材になっています。
ナイロンはご存知の通り耐久性や強度に優れた素材、ポリウレタンはストレッチ性に長けた素材です。この二つをポリウレタンを比較的高めの比率で混ぜる事で、生地そのもののストレッチ性を大きく向上させたのだと思われます。
生地感(外見・触感)
新旧両モデルを見比べてみて真っ先に気がつくであろう違いは生地感の差です。
旧モデルがいかにも「ウィンドブレーカー」と言うような光沢のあるビニール調の質感なのに対して、現行モデルはテカリの少ないしっとりとした生地となっています。使用している素材はバリスティックエアライトから変更はないものの生地の厚みが12から15デニールになっていること、および先述の生地の組成が変わっていることが要因でしょう。
過度にテカテカとしないので普段着として着用しやすくなったように思います。
生地のストレッチ性
一見しただけでは分かりにくいですが生地のストレッチ性が大きく向上しました。
旧モデルも「バイアス・ストレッチ」と言う生地配置を用いてウィンドブレーカーとしてはかなり柔軟に伸びてくれる印象がありましたが、現行モデルはさらに伸縮性が伸び特に横向きの力に対しては「こんな伸びて大丈夫?」と言うくらいグググっと伸びてくれます。
対して縦方向への伸びは新旧両モデルとも大きな変化は感じられません。ただ、実際の使用で力がかかる方向はほとんどの場合横方向なので不満を感じることはないと言えるでしょう。
縫製
しっかりと見比べて気づいたのが両モデルの縫製の違いについてです。上記の画像をご覧ください、全然違うでしょう?
旧モデルは正面ポケットの上下部分や肩の部分が複数の部材に分かれており縫い目どうしが接続する場所が多くなっていましたが、現行モデルは縫い目の大部分が撤廃され一枚の大きな生地で繋がっています。
基本的に縫い目は伸縮しにくく、逆に生地は面積が広がるほど伸縮しやすくなるので身ごろ全体のストレッチ性が向上します。
さらに着目すべきは肩の部分です。立体的に生地を切り出し縫製するのが難しいためか肩の部分は縫い目が集中しどうしても突っ張りやすくなってしまうところですが、腕から肩・腋にかけての生地を完全に一体化し縫い目を一本に統合することで生地そのものの伸縮性を活かすのと同時に肩の曲げ伸ばしに縫い目が干渉しないよう工夫されています。
ロゴの差し色
これはこの商品に限った話ではなく22FWの製品からmont-bellのロゴに性別による差し色がされなくなりました。
旧モデルでは下側の菱形が青色に塗られていますが現行モデルは生地の色そのままとなっております。同様に腕(旧モデルは背中)のロゴの色も変更されています。
こうなってくると一目で男性用か女性用か判別しにくくなってしまいますが、首裏のタグのロゴは従来通りなのでこちらを確認すれば一目瞭然です。
ジッパー・フラップ
細かいですがジッパーも両モデルで違いがあり、旧モデルは樹脂の部分が露出しているのに対し現行モデルは露出していない、新旧モデルでジッパーの表裏が逆になっています。
ぱっと見のデザインでジッパーが目立たなくなるのが一つ、防風性の向上といった効果もあるのでしょうか?ジッパーには詳しくないもので…
顎に当たる部分のフラップも現行モデルの方が格段に大きくなり、よりしっかりした生地になっています。
その他の相違点
さらに細かい点ですがドローコードの留め具の位置が変わっています。現行モデルの方がかなり幅が広く取られていますね。
ジッパーを開け閉めするときに干渉するのを防ぐためでしょうか?
また、ポケッタブルに収納した時、旧モデルでは下部にロゴが縫い付けられているのに対し現行モデルでは正面にロゴが来るよう配置されています。
重量については現行モデルが10〜20gほど重くなっていますがそれでも110g程度とかなり軽いので持ち運びにも着用にも支障は出づらいと思われます。
現行モデルと旧モデルならどっち?
現行モデル(1103308) | 旧モデル(1103277) | |
価格 | 8470円 | 6070円 |
素材 | 15デニール・バリスティックエアライト | 12デニール・バリスティックエアライト |
混紡率 | ナイロン89、ポリウレタン11 | ナイロン100 |
平均重量 | 108g | 91g |
収納サイズ | 15.5×12×4cm | 15.5×12×4cm |
フラップ | 大きめ | 控えめ |
ロゴ差し色 | 生地色 | 青/赤 |
さて、疑問に対する回答ですが、自分なら間違いなく現行モデル一択です。
理由としては以下の3つが挙げられます。
- 圧倒的なストレッチ性
- 使いやすい生地感
- 細部の地道な向上
まず、圧倒的に現行モデルの方が生地の組成と縫製のおかげでストレッチ性が高いです。着比べてみるとびっくりするくらい違い、走ってみるとさらに大きく違いを感じました。
また、生地感も現行モデルの方がビニール感を抑えているため街中で来ていてもそんなに違和感がなくなっています。現に自分もアルバイトの時着用できているので使えるシーンが広いと言えると思います。
それ以外の細かいところも確実にブラッシュアップされていて使用感に関わる多くの点で旧モデルよりも現行モデルの方が優れています。
そういった確実な機能の向上という点が価格の上昇(旧モデルのアウトレット品による値下げ)や重量・生地厚の微増を加味しても上回ると考えるため、僕は現行モデルのU.L.ストレッチウインドジャケットを選びます。
使用用途
ここまでは、ざっと新旧の違いについて見てきました。ここからは「U.L.ストレッチウインドジャケット」の想定される主な使用用途とその適正に関する僕の意見をお伝えしたいと思います。
ランニング
自分の使用用途が専らランニングとなっていることもあるかもしれませんが、非常にランニングに適した製品のように思います。
特に初秋から晩春にかけての朝晩の冷え込みが続く時期は外に出るだけで吹き付ける風にあっという間に体温を奪われてしまいます。また、腕を大きく動かすことからそれに追従してくるストレッチ性も欲しいです。
冷たい風をブロックしつつできるだけ薄い生地で動き易く排熱性も確保したい、そんな要求をピッタリ満たしてくれるのがこの「U.L.ストレッチウインドジャケット」です。
個人的にはこの製品が最も輝くシチュエーションはランニングをする時だと思っています。
トレイルランニング
トレイルランニングに関する適正も十分にあるのではないでしょうか。トレイルランと一口に言っても様々な強度があるとは思いますが、軽くて収納し易く着脱も容易という点を満たしているので僕が想像できる範囲での使用は可能だと思います。
ただ、同社から出ている「EXライトウインドジャケット」の方が軽さやコンパクトさでは上回っているので最適と言えるかは微妙かもしれません。
登山
息が過剰に上がらないペースで登ることを登山とするならば、適正は可もなく不可もなくといったところでしょうか。
似たような機能を持つ「ソフトシェル」と言われるカテゴリの物の方が裏地がある関係で保温性も高く登山における汎用性に優れているものと思われます。生地の厚みもこちらは15デニールのストレッチ性の高い物であることから重いザックを背負った状態で使用すると摩耗で損傷する心配があります。
停滞中に風除けとして羽織るといった用途での使用はトレイルランニングの場合と同じく十分対応できるので他のカテゴリのものと比べて可もなく不可となくといった印象です。
他製品との比較
mont-bellから発売されている他の「ウインドシェル」カテゴリの製品と比較してみます。
U.Lストレッチウインド <旧モデル> | EXライトウインド | ウインドブラスト | リフレックウインド | O.D | |
重量(g) | 108 <91> | 45 | 148 | 160 | 246 |
生地厚 (D) | 15 <12> | 7 | 40 | 40 | 70 |
組成 (ナイロン) | 89 <100> | 100 | 100 | 100 | 100 |
組成 (ポリウレタン) | 11 <0> | 0 | 0 | 0 | 0 |
主なところで比べてみるとこのような感じになります。
重量
重量に関してはやはりEXライトウインドが頭一つ抜けて軽いですが100gと少しに収まっているので十分健闘していると言えるでしょう。他は結構重くなりO.D.シリーズなどはランニングで着用するには重すぎますね。
良い感じの重量だと思います。走っていて重く感じたことはありません。
生地厚
生地の厚みに関してもEXライトウインドが薄すぎますが15デニールでも十分薄いと感じると思います。あとの商品は全て40デニール以上となるのでランニングで使うにはちょっと分厚いかな。
また、7デニールの薄すぎる欠点として耐久性の低さと生地の透過が挙げられます。ランニングで使う分には耐久性はそこまで心配いらないですが、如何せんスケスケの生地なので白色を選ぼうものなら下に着ているものが丸見えです。気にならない人にとっては問題ないですが、気になる人の方が多そうかなと思ったり。
薄すぎず分厚すぎず、とちょうど良い塩梅の厚さです。
生地組成
他のウインドシェルが全てナイロンオンリーで構成されている(厳密にはポケットのメッシュはポリエステル)のに対して現行のU.Lストレッチウインドシリーズはポリウレタンとの混紡糸となっています。
生地自体が薄いことによる生地の伸びよりも繊維そのものが伸縮性を持つことの方が圧倒的に効果は大きく、触ってみれば一目瞭然なくらい伸縮します。
これにより生地自体が高いストレッチ性を持つ唯一の製品となっており、これは他にない大きなメリットです。
他のウインドシェルと比べてどう?
U.Lストレッチウインド <旧モデル> | EXライトウインド | ウインドブラスト | リフレックウインド | O.D | |
重量(g) | 108 <91> | 45 | 148 | 160 | 246 |
生地厚 (D) | 15 <12> | 7 | 40 | 40 | 70 |
組成 (ナイロン) | 89 <100> | 100 | 100 | 100 | 100 |
組成 (ポリウレタン) | 11 <0> | 0 | 0 | 0 | 0 |
もう一度比較表を掲載しておきますね。
この中で僕が選んで買うことになるなら、やはりU.L.ストレッチウインドジャケットの現行モデル一択かなと思います。
EXライトウインドも視野に入らないこともないですが、やはり薄すぎてちょっとした引っかけに負けてしまいそうな繊細さと下に着ているものがスケスケになってしまうのはいただけないかな…と思いました。
また、他の3つに関しては普段着として着るにはちょうど良いですが、やはり運動するシーンを想定すると重すぎたり分厚すぎたりしてくるので汎用性に劣ると考えました。
総評(おわりに)
というように新旧両モデルの様々な点を比較しつつ、同じくmont-bellの他の製品との比較も加えて見てきましたが如何だったでしょうか?
「結局現行モデルと旧モデルならどっちがいいの?」という疑問と「他のmont-bellのウインドシェルと比べてどう?」という疑問に答える形で、ここまで自分が買うならU .L.ストレッチウインドパーカだと書いてきましたが、もう一度そのように思う理由を箇条書きにしておきます。
- 圧倒的なストレッチ性
- 使いやすい生地感
- 細部の地道な向上
というような感じで、旧モデルから確実な進化を遂げ、他のウインドシェルの中でもあらゆる場面に対応できる高い汎用性があることから、どんな用途で使う人にとっても自信を持ってオススメすることができます。
とりあえずコレを一着買っておけば大体使えるのでOKです(笑)
在庫は各地のmont-bellで豊富にあるみたいなので是非近隣の店舗に行ってみて触り比べて、着比べて見てください。その圧倒的な違いを実感できると思います。
以上、U.L.ストレッチウインドジャケットの新旧比較レビュー記事です。質問等ございましたらお気軽にコメントお寄せください。分かる範囲できちんとお答えいたします!
最後までご覧いただきありがとうございました。是非他の記事もお読みください。それではまた〜👋
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