プロローグ

JWOCが開催されるチェコに向かっていざ一直線!ということで昨日はヴェネツィアから夜行列車に乗ってウィーンを目指しているところ。果たしてクシェットの中で睡眠はできたのでしょうか。これは気になる木。
本編
睡眠不足でウィーン到着

おはようございます。到着1時間前くらいに目が覚めました。まあ、最低限の睡眠は取れたという感じではありますが全く快眠ではございませんので悪しからず。
ちょうど目覚めた頃合いに朝食がやって来ました。コーヒーとパンにバターとジャムの質素な朝食。これでいいんだよこれで。ブラックを眠気に襲われる脳みそにキメます。

夜間はちょっと薄暗くて怖い雰囲気すらあった車内はいざ日光の下で見てみると案外悪くない、というか普通に清潔でトイレとかも全然使えるレベル。なんだ、杞憂だったか。
車内を探索するとどうも昨日までいた客車がすっかり消え失せ、別方面からやって来たらしい客車に置き換わっているではありませんか。いつの間に…

列車は8時ちょうどにウィーン中央駅に到着。動力のない客車をゴツい電気機関車が牽引するという古風なスタイルではありますが、客車が振動を発生させないという点で非常に合理的です。
日本から客車列車はほぼ駆逐されて久しいですが欧州では未だに客車が現役。これからの旅でもあまた遭遇することとなります。編成の自由度を考えれば電車は不利ですからね。

ちょっとばかり時間が余っているのでせっかく音楽の都とまで呼ばれる街に来たわけですから少し観光していきましょう。悲しいかな、荷物と一緒なのでマジで疲れます。
ウィーンの地下鉄は改札がなくチケットを買って機械に通す信用乗車方式。もちろん、切符を持っていないことがバレたら高額の罰金なのでちゃんと買います。

とある観光地の最寄駅で下車。地上にはこんな感じの赤と白のカラーリングの可愛い路面電車が走っているので景色が見えるこっちもオススメです。地下鉄の方が早いよ。
これから向かうのは「シェーンブルン」。シェーンブルン宮殿があることで世界的に有名な公園ですね。名前が可愛いから個人的に好きポイント。

今でこそオーストリアは中小国の一つとして数えられていますが、中世から近世にかけてハプスブルク家が欧州を席巻していた頃は太刀打ちできるもののいない大勢力として歴史の中に常に位置づいて来ました。
その中枢も良いところ。共和国となった現代においてもかつて宮殿があった由緒を守らんとすべくか園内は隅々まで手が入っておりどこを切り取っても美しい。

園内には植物を用いた様々な彩りが施されており庭師さんの芸術的な手腕が光ります。木の形がいちいち綺麗なのがそのこだわりようというか、この場所の大切さを物語ます。
植物園や動物園、温室といった施設もいくつか点在しており観光地としての素質も高いです。朝なので残念ながらどれも開いていませんでしたが。

イタリアから持ち込んだクッキーと牛乳で二度目の朝ごはんとします。やっぱりさっきのパンとコーヒーだけじゃ足りませんからね。
しかしまあこれが美味しいこと。チョコクッキーなのでもちろん単体で食べても美味しいのですがやっぱりクッキーといえば牛乳。あわせて食べてみな、飛ぶぞ。

大きな木の下にあるベンチに腰掛けクッキーを貪り食っていると小雨がパラパラと降って来ました。しばらくすると止むみたいなのでちょっとばかしやり過ごしましょうか。
ぼんやりと雨に霞む景色を見ていると何やらガラガラと音が。いわゆる馬車というやつでしょうか、けたたましい音を立てながら過ぎ去っていきました。

シェーンブルン宮殿の正面(正確には背面)には広大な広場と通路、そして花壇があります。確かにこれはハプスブルク感じますわ。土地の使い方が贅沢すぎる。
普通に撮っても面白くないので南にある噴水の奥側からパシャリ。ここから覗く穴場をあまりみなさん知らないみたいなので訪れる際はぜひ。

さらに南に行くとこんな感じでシェーンブルンとその奥にあるウィーンの街並みを大きく見渡すことのできる大きな丘があります。
かの有名な女王マリア・テレジアはここで朝食を取るのが好きだったと言い伝えられていますが風の吹き抜け景色の良いこの場所はもってこいですね。気持ち、わかる。

さあ、ぼちぼち駅に戻りましょうか。次に乗る列車の乗車時刻が近づいていますから。乗り遅れてもまあなんとかなりますが指定席が無駄になってしまうので。
トラムに乗車するには切符かアプリでチケットを購入する必要があります。アプリがうちのスマホではうまく動かなかったので現金で買いました。

中央駅までシェーンブルンから直通してくれるトラムの路線は残念ながらないので途中のジャンクション駅で別のトラム路線に乗り換えです。
全部で40分くらいでウィーン中央駅に戻って来ました。突然周囲が暗くなったと思ったらどうやらトラムが地下に潜ったようで地下ホームに到着。なかなか斬新な構造です。
さあ、プラハへ

さてさて、駅のコンビニでドリンクを購入し長時間の乗車に備える準備は万端。4時間という長旅にはなりますがチェコまでひとっ飛び。よろしくお願いします。
乗車するのはレイルジェットというオーストリア国鉄の看板特急列車。スイスやハンガリー、チェコはもちろんドイツまでも結ぶ長距離特急列車です。その座席やいかに。

バリアフリー席があてがわれたみたいですが誰も来なかったのでセーフ。いい感じに座席は革張りでしっとりした印象。足元も広いのでのびのびと過ごせそうです。
一等車は無料でミネラルウォーターが配られるサービスがあるので遠慮なくもらっておきます。そもそも飲み水が貴重ですからもらっておくに越したことはありません。

ドイツと中央ヨーロッパ諸国(旧オーストリア・ハンガリー帝国領)との間にはアルプス・ズデーテン山脈がありますが、プラハとウィーンの間はパンノニア平原の端くれなため目立った山はありません。
ひたすら川の作り出した平野の中を高速新線をぶっ飛ばして北上していきます。こういう時に世界史や地理を履修していて心の底から良かったと感じる。見える車窓に「綺麗」以上の意味を持たせられますから。

日も落ちぬうちにプラハに到着。ヨーロッパでありがちなホームの天井全体を覆う大屋根はこちらでも健在です。雨に濡れないからいいね。
とりあえず駅近に宿を取ってあるのでGoogle Mapを頼りに探します。今でこそこんな便利な代物がありますが無かった時代はどれだけ苦労したことか…そんな時代に海外を放浪していたバイト先のおっちゃんマジ尊敬。

どこが宿かなぁと探しているとマジで普通の住宅街のある棟が丸っとそうらしい。窓から顔を覗かせた時に見える街並みがもうヨーロッパの象徴みたいな感じで最高。
駐車場がないので当たり前のように路上駐車だし窓も外開きの大きなやつだし、建物もびっくりするくらいカラフルなものが多くてすごい。

長い移動で疲れたので観光するのは明日にして駅前の小さな商店で買ったお酒をぐびっとやります。お酒が好きかと言われるとそこまでではないですがチェコに来たからには飲むしかないよね。
夜が深まってくると街灯も灯り始めなんとも美しい雰囲気。ちょっとした街角に底知れぬポテンシャルを感じます。これが1000年の歴史をもつ街の力か。

ちなみに買ったのはこんなお酒。お酒に詳しくないど素人なのでとりあえずそれっぽいのを買ってみましたがまあ普通に美味しかった記憶。
どうやらピルスナーウルケルという種類が名産だとか聞いたので水と酒が同等の価格というイかれた物価を利用して明日以降たくさん飲んでいきましょうかね。
エピローグ

プラハにきたよ〜という感じでイタリアからオーストリア、そしてチェコまで一気に国を跨いでやって来てしまいました。
本当はウィーンでもっと長いこと滞在したかったのですがちょっと色々今後の予定のことを考えるとそう悠長にもしていられなかったもので。また来るやろの精神です。
それではまた明日〜👋
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